紀元前・ギリシア壺の一種で、葡萄酒を杯に注ぐために作られた《 オイノコエ 》と呼ばれる古代陶器です。小型は捧げものに使われたともされますが、三つ葉形の口縁部を特徴とした可愛らしい小型注器で、嬉しいことに絵に魅力を感じる佳品を入手することが出来ました。
紙が発明される以前、未だ芸術がさまざまな表現の手段を索めている頃に陶器は重要な作品形態であったと想像しますが、一部の作品に絵師や陶工の署名が入れられていることにも感銘を受けます。こちらは無銘で赤像式( 赤絵式 )の簡略的な絵による作品ですが、把手を有する器形のまとまりを含め鑑賞は止みそうもなく、久々に所有意欲を昂らせてくれた小品でもあります。
状態総じて良好です。
南イタリア赤像式オイノコエ / 御売約
イタリア・アプリア製
紀元前 5 – 4 世紀
高 5.6 cm