切子ガラス小瓶

西アジアから中国の宋王朝に運ばれたガラスの中にイスラームガラスの小瓶がある。主にはバラ水を容れて運ばれて来たことが『 宋史 』に記されていて、イスラムに於いては宗教儀式に用いるための聖水として、あるいは飲用,薬用,香水等──意外と言うべきか、バラ水は現在と余り変わらない使い途であったという事が分かります。

ガラス史の英文を苦労しながら読むと、イスラムの場合、ガラスは飲料を飲むために作られた物が大抵で、それは陶器が発達したためにガラスの役割が変化したことを意味しているとされている。切子装飾のあるガラスは豪奢だからと、使い終ったシャネルの香水瓶のようなものと言うには語弊があるのでしょうが、手間を加えたものには少なからず付加価値があったと考えられそうです。

植物灰のソーダガラスによる無色に近い失透性の淡緑色、宙吹きで作った厚手のガラスに幾何学的な切子( カット )が施されています。東博の収蔵品と類似する小品ですが、こちらは頸部欠損、その他細かな欠け等あります。

切子ガラス小瓶( 9 – 11 世紀頃 )高 4 cm / 御売約済み

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