ケルデル瓶

"このような酒瓶は、オランダ船の水夫たちが永い航海中に飲んだリキュールやジンを入れたもので、長崎港に停泊中にそれらの空瓶を海中に投棄していた。しかし、ビードロ( ガラスの意 )の瓶は、当時のわが国では珍品中の珍品であったから、水を入れて沈められたそれらの空瓶を、水中にもぐって拾い集め、高値で数寄者に売るものが現れた。"( ガラスの話 / 由水常雄 )

オランダのレールダム地方で作られたジンボトルということが現地のガラス美術館の研究史から判っているそうですが、肩の張ったもの、下がったもの、文字の入ったもの等、よく似た形態で時代を跨いで生産されていたようで、様々な作りの酒瓶を目にする機会があります。以前無色のガラス瓶を扱って以来姿に魅力を感じる物は中々見つけられていなかったのですが、大振りで、存在感の引き立った物を久々に見つける事が出来ました。実物を見なければ判断のつかないような物ですので、手に取ってご覧頂ければと思います。

ケルデル瓶( オランダ・18世紀 )幅 10.5 cm – 高 27.5 cm / 38,000円

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唐草文アルバレロ

2020年10月17日より2日間の日程で《 目白コレクション 》が開催されます。本稿では目白コレクション出品予定の商品をご紹介をさせて頂きます。どうぞお誘い合わせの上お越しください。

目白コレクション出品商品 2
唐草文アルバレロ
フランス・リヨン 或いは西洋諸地域
17世紀後半
外径 8.8 cm – 高 12.3 cm

胴の中央部がくびれた円柱状の筒型容器で、アルバレロ / またはアルバレッロ( albarello )と呼ばれる薬壺です。コバルトの単色で描いた唐草絵や上下に廻った帯状装飾などバランスに長けた佇まいかと思います。一般的なアルバレロの大きさからすると、ひと回り、あるいはふた回り小さな物です。目白コレクションにてご覧下さい。

目白コレクション 2020 秋
10月17日( 土 )12:00 〜 18:00
10月18日( 日 )10:00 〜 16:00
目白 椿ホール( 入場無料 )
東京都豊島区目白1-4-8 デサントビルB1F
JR目白駅徒歩1分

http://www.mejirocollection.com/sp/

目白コレクションのご案内

2020年10月17日より2日間の日程で《 目白コレクション 》が開催されます。古美術の催事として参加させて頂いている数少ない行事のひとつで、店を構える以前から通わせて頂いていた思い入れのある催事でもあります。今春の開催は中止となっていたため、昨秋以来の開催です。当店は入口より右手奥に進んで頂き、会場右角の手前に出店させて頂きます。どうぞお誘い合わせの上お越しください。

目白コレクション出品商品 1
桜材木箱( 旅枕 )

桜の樹皮で作られた木箱です。江戸時代に旅枕として携えられた野趣あるもので、茶箱あるいは漆桶のような味深さを立方体の佇まいで所持した稀ものと惚れこんでいます。目白コレクションにてご覧下さい。

目白コレクション 2020 秋
10月17日( 土 )12:00 〜 18:00
10月18日( 日 )10:00 〜 16:00
目白 椿ホール( 入場無料 )
東京都豊島区目白1-4-8 デサントビルB1F
JR目白駅徒歩1分

http://www.mejirocollection.com/sp/

青釉扁壺

イランのスーサで出土した同型の遺物の資料を拾い読みしたところに拠れば"携行用の水筒"とされるパルティアの施釉壺で、掌の端で平らに伸ばしたような扁壺に双耳のついたフラスコ形状の提瓶です。

7世紀以降のペルシャ陶器を想起させる釉色ながらパルティアに独特の器形なのでしょうか。時代の下がる出土遺例に同形の物は見つけられず、図録に見られる緑釉や青釉の扁壺との相違点を探っていました。青釉の釉色の上に出土に伴なう銀化を顕したもので、掌に収まりそうな控えめな大きさの輪郭の内側に独特な色が粧飾されています。

"破損が普通の状態"とされるように、器表に斑点状の滲みのように見えるのは共色による補修痕です。両面に複数見られますが目を凝らしても補修であるのか一見判らないほど自然に直されており、美観を保っているのは好所かと思います。

自立不可、水漏れ未確認のため花器とする場合は落しをお使い下さい。

青釉扁壺 / 御売約
径 8.7 cm – 高 10.5 cm
パルティア / アルサケス朝
紀元 1 – 3 世紀頃

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黒漆三脚盤

根来の脚付盤と共通性の見られる円型の木台で、仏教美術との相性もよいのではと小像など飾ってみたくなった小盤です。盤面上層の黒漆の下には朱漆が僅かながら覗いており、用法は不明ながら寺院で用いられた小さな盤と捉えています。

一木造りで、轆轤で挽いた脚の上に帽子のつばのように張り出した盤があり、盤口縁部は鑿などの道具を使い手仕事で削り落とされています。おおよそ正円形であり、やや楕円形とも云える形でしょうか。味の良い台でもこのように建ちの低い円形のものはなく、朝鮮の餅台に似た素朴さもあり、酒器など持ち出して用いるよりも、やはり飾り台として見立てる方が合う物ではないかと思います。

脚の一部に亀裂が入っており、特に補修も施されていませんが、そのままでも差し支えない程度のものかと思います。

黒漆三脚盤( 江戸時代 )径 18 〜 19 cm – 高 5.3 cm / 御売約

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欅台

石畳のように堂々とした欅材の台で、滑稽な程の重量を具す古材です。藁を柔らかくするために木槌を使った"藁打ち"の作業台、あるいは踏台として据え置かれていたものかもしれませんが、敷板とは異なり段を持つ台として、古材の端くれではない盤石な充溢感を漲らせています。

材の角には釿( ちょうな )の痕か、刃の痕か、平面のうちにももろもろの形象を含む味が見られます。古民家から出た古材と云うよりも、寺社の建材のような一段深い気配のある古材です。

花台としての設えの他、台それ自体の鑑賞を愉しんで頂けましたら幸いです。

欅台( 日本 )47.5 cm × 27.5 cm – 高 9.5 cm / 御売約

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『 目白コレクション 2020 春 』中止のお知らせ

4月11日より開催を予定しておりました『 目白コレクション 2020 春 』は開催中止が決定いたしました。
ご案内状をお持ちいただいた方々、愉しみにして下さっていた皆様にはお詫び申し上げます。

儘ならぬこともありますが、この新しい空白を好んで考えてみることに切り替えて、既に小さな企画展等、代替の催しを告知している出展者もあります。

当店は企画展等予定しておりませんが、出品予定だった品は今週末より店内で常設展示、webサイト上でも少しずつ御紹介を予定しております。

よろしくお願い申し上げます。

南方美術店

伽耶丸底形土器

丸底壺では糸底の付けてある自立可能な形で、《 坩( かん )》と呼ばれる溶融合成のための形状容器です。

旧稿《 水晶切子玉と赤瑪瑙管玉 》に遡上すると、ソウルの国立中央博物館に伽耶古墳群の出土遺物が展示されていることに触れましたが、それに遜色なく、伽耶土器では初期の一時期に出現した器形、新羅をはじめとする朝鮮の土器類の中でも魅力ある品として分類出來るものかと思います。胴部からの立ち上がり、広口に至るまでの厚みを含めた輪郭は特に好ましく、繰返し眺めては暮らしています。

店内は什器入れ替えのため数日間間の抜けた空間になっていますが、伽耶二点、いずれも好んでいる小品を展示しています。その他諸般と併せてご覧下さい。

伽耶丸底形土器( 3世紀 )口径 7.8 cm – 高 8.3 cm / 御売約

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レッドウェア 円筒器

赤土の素地にレンガ色の釉が発色した円筒器で、"レッドウェア"と呼ばれるアメリカの陶製器です。ニューヨーク – ペンシルベニア周辺に移り住んだ英国人陶工に拠るもので、原型に"スリップウェア"と云うイギリス陶器を有ちます。

ヨーロッパ陶磁史に少し話を遡らせると、スペインに"アルバレロ(albarello)"と呼ばれる薬を容れた円筒器があり、西欧では筒型はひとつの定型であったように思われます。ニューイングランドと呼ばれるこの地方の特色は、幼少期から棒切れや泥を手に過ごさなければ分かりそうになく、それでも気まぐれな一個人によって移り変わった形や、アメリカ東部と西洋文化の一部が交じり合った地方色( それからピーナツの殻を食卓から投げ入れて遊んでいる様子なども )浮かび上がって来るように思えます。

主にコネチカット州で生産された形と訊きますが、資料に乏しく確証に欠けます。口部に欠けと薄ヒビ、全体に所剥げ等が見られますが、水漏れもなく、概ね好い状態を保っています。

レッドウェア 円筒器( 19世紀中頃 )外径 16.3 cm – 高さ 27.3 cm / 26,000円

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漆桶

漆桶は《 シッツウ 》と読むのですが、桶を《 ツウ 》と読むことに馴染みがなかったり、《 シッツウ 》と云うかしこまった音に耳慣れず、この一言半句には長い間言葉を詰まらせています。"ビリゴ ベリゴ"と啼くつばめの声があるそうですが、物覚えと云うのは音の担う所もあるし、いかにもと様子で覚えているような所があるので、桶にはやはり"おけ"が相応しいように思えます。

木の皮を剥いで、円く巻くような恰好で筒形に作るのが一般的な漆桶の形で、底板は木材を嵌めている物、麻布を貼って漆で固めた乾漆のものとを見かけます。これに樹木から掻いて採集した漆(樹液)を容れて用いる山の道具で、"漆を塗った桶"ではなく、漆を容れた桶のことを指します。

寸胴でも建ちの低い半筒の恰好で、辺り一面黒々と覆われたものよりこちらの方が好みです。胴に箍( たが )を廻した桶らしい作りで、売る為に漆をかけて作ったような粗悪な物も多く竝んでいますが、確りと実用されていた物の好ましさがあります。

漆桶( 時代不詳 )外径 17.6 cm – 高さ 12.4 cm / 御売約