黒漆三脚盤

根来の脚付盤と共通性の見られる円型の木台で、仏教美術との相性もよいのではと小像など飾ってみたくなった小盤です。盤面上層の黒漆の下には朱漆が僅かながら覗いており、用法は不明ながら寺院で用いられた小さな盤と捉えています。

一木造りで、轆轤で挽いた脚の上に帽子のつばのように張り出した盤があり、盤口縁部は鑿などの道具を使い手仕事で削り落とされています。おおよそ正円形であり、やや楕円形とも云える形でしょうか。味の良い台でもこのように建ちの低い円形のものはなく、朝鮮の餅台に似た素朴さもあり、酒器など持ち出して用いるよりも、やはり飾り台として見立てる方が合う物ではないかと思います。

脚の一部に亀裂が入っており、特に補修も施されていませんが、そのままでも差し支えない程度のものかと思います。

黒漆三脚盤( 江戸時代 )径 18 〜 19 cm – 高 5.3 cm / 御売約

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欅台

石畳のように堂々とした欅材の台で、滑稽な程の重量を具す古材です。藁を柔らかくするために木槌を使った"藁打ち"の作業台、あるいは踏台として据え置かれていたものかもしれませんが、敷板とは異なり段を持つ台として、古材の端くれではない盤石な充溢感を漲らせています。

材の角には釿( ちょうな )の痕か、刃の痕か、平面のうちにももろもろの形象を含む味が見られます。古民家から出た古材と云うよりも、寺社の建材のような一段深い気配のある古材です。

花台としての設えの他、台それ自体の鑑賞を愉しんで頂けましたら幸いです。

欅台( 日本 )47.5 cm × 27.5 cm – 高 9.5 cm / 35,000円

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『 目白コレクション 2020 春 』中止のお知らせ

4月11日より開催を予定しておりました『 目白コレクション 2020 春 』は開催中止が決定いたしました。
ご案内状をお持ちいただいた方々、愉しみにして下さっていた皆様にはお詫び申し上げます。

儘ならぬこともありますが、この新しい空白を好んで考えてみることに切り替えて、既に小さな企画展等、代替の催しを告知している出展者もあります。

当店は企画展等予定しておりませんが、出品予定だった品は今週末より店内で常設展示、webサイト上でも少しずつ御紹介を予定しております。

よろしくお願い申し上げます。

南方美術店

伽耶丸底形土器

丸底壺では糸底の付けてある自立可能な形で、《 坩( かん )》と呼ばれる溶融合成のための形状容器です。

旧稿《 水晶切子玉と赤瑪瑙管玉 》に遡上すると、ソウルの国立中央博物館に伽耶古墳群の出土遺物が展示されていることに触れましたが、それに遜色なく、伽耶土器では初期の一時期に出現した器形、新羅をはじめとする朝鮮の土器類の中でも魅力ある品として分類出來るものかと思います。胴部からの立ち上がり、広口に至るまでの厚みを含めた輪郭は特に好ましく、繰返し眺めては暮らしています。

店内は什器入れ替えのため数日間間の抜けた空間になっていますが、伽耶二点、いずれも好んでいる小品を展示しています。その他諸般と併せてご覧下さい。

伽耶丸底形土器( 3世紀 )口径 7.8 cm – 高 8.3 cm / 御売約

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レッドウェア 円筒器

赤土の素地にレンガ色の釉が発色した円筒器で、"レッドウェア"と呼ばれるアメリカの陶製器です。ニューヨーク – ペンシルベニア周辺に移り住んだ英国人陶工に拠るもので、原型に"スリップウェア"と云うイギリス陶器を有ちます。

ヨーロッパ陶磁史に少し話を遡らせると、スペインに"アルバレロ(albarello)"と呼ばれる薬を容れた円筒器があり、西欧では筒型はひとつの定型であったように思われます。ニューイングランドと呼ばれるこの地方の特色は、幼少期から棒切れや泥を手に過ごさなければ分かりそうになく、それでも気まぐれな一個人によって移り変わった形や、アメリカ東部と西洋文化の一部が交じり合った地方色( それからピーナツの殻を食卓から投げ入れて遊んでいる様子なども )浮かび上がって来るように思えます。

主にコネチカット州で生産された形と訊きますが、資料に乏しく確証に欠けます。口部に欠けと薄ヒビ、全体に所剥げ等が見られますが、水漏れもなく、概ね好い状態を保っています。

レッドウェア 円筒器( 19世紀中頃 )外径 16.3 cm – 高さ 27.3 cm / 26,000円

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漆桶

漆桶は《 シッツウ 》と読むのですが、桶を《 ツウ 》と読むことに馴染みがなかったり、《 シッツウ 》と云うかしこまった音に耳慣れず、この一言半句には長い間言葉を詰まらせています。"ビリゴ ベリゴ"と啼くつばめの声があるそうですが、物覚えと云うのは音の担う所もあるし、いかにもと様子で覚えているような所があるので、桶にはやはり"おけ"が相応しいように思えます。

木の皮を剥いで、円く巻くような恰好で筒形に作るのが一般的な漆桶の形で、底板は木材を嵌めている物、麻布を貼って漆で固めた乾漆のものとを見かけます。これに樹木から掻いて採集した漆(樹液)を容れて用いる山の道具で、"漆を塗った桶"ではなく、漆を容れた桶のことを指します。

寸胴でも建ちの低い半筒の恰好で、辺り一面黒々と覆われたものよりこちらの方が好みです。胴に箍( たが )を廻した桶らしい作りで、売る為に漆をかけて作ったような粗悪な物も多く竝んでいますが、確りと実用されていた物の好ましさがあります。

漆桶( 時代不詳 )外径 17.6 cm – 高さ 12.4 cm / 御売約

陶質土器小壺

千草の似合う灰色の陶質土器で、鉄さび色の胎土や灰の降りかかった斑らな色の対置が美しい小壺です。

すいと身をかわしてゆきそうな小柄な恰好で、掌の上に置いてみたくなる小品の好い気配を漂わせています。

口部に共色の直しが見られますが、丁寧に馴染んでいるために見た目には判らない好ましい補修です。

陶質土器小壺 ( 高麗初期 )外径 5.4 cm – 高さ 4.5 cm / 売約済み

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別途送料(全国一律)600円/振込手数料がかかります。

青銅杯

GKKF4

東洋では砂張( さはり )という青銅器が古来より在りますが、錫の含有量の違いによってか、それとは異なる古色が地金の上に呈しています。石川県で作られる合鹿椀( ごうろくわん )にも似たフォルムで、ローマ帝国時代の青銅器です。

目に見える旋盤や同心円状の三条の線に形のへしゃげた胴あいの美しさが重なり、舎利容器を除けば、青銅器でこのような形は初めて手にします。形が歪んだことによって生じた斜線や曲線は製図に見られる実線のようで、青銅器時代の鉄器のほとんど、あるいはすべてが隕石から抽出されているという学識は青銅器に於いては当て嵌まらないのかもしれませんが、地上的な美しさとは言えない異質性もあるように思えます。小指ほどの小さなものですが、非常に好きなものです。

4/28、29は 《 春の鎌倉古美術展 》 参加のため店舗は休業致します。
皆さまお誘い合わせの上、ぜひお越し下さい。

5月の営業日は営業カレンダーを更新しましたのでご確認下さい。

GKKF5

GKKF6

古代ローマ 青銅杯 ( 紀元2世紀頃 ) 径 5.5 cm – 高さ 3.3 cm / 売約済み

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別途送料(全国一律)600円/振込手数料がかかります。

南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

西欧白釉陶器

GGHK150

低火度で焼かれた軟陶のような釉調で、ゆったりとした筒状の白釉器ゆえに御茶席で建水( 湯こぼし )として用いられていたそうです。

このような形だと西欧では元来何に使ったのだろうと考えているのですが、フェルメールはデルフトの古い筒容器を絵の具入れとして使っていたとも訊くし、ドイツの古い映画では仔牛が草を食む( はむ )のにストーンウェアを使っていたので、よく軟膏であったりクリームを入れた容器と教えられるのには共感できない。町の景色の一番端の方で印象淡く、どこにも属さないでひっそりとしていたのを茶人に拾われて、たまたま建水などに使われてしまったという筋書きの方が愉しいように思います。

胡粉を混ぜたような淡い灰色が白一色の中に斑をつくっていて、象牙のように白皙な色も冬によく合います。下縁部に小さな欠けが二箇所ありますが、その他に目立った傷は見られず水漏れもありません。桐箱が付属します。

GGHK151

GGHK152

GGHK158

西欧白釉陶器 ( ドイツ 20世紀初頭 )外径 14.7 cm – 高さ 9.6 cm / 売約済み

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南方美術店

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

常滑広口壺

GMTT105

企画展や秋の催事を終えると、しばらく平らかな道を歩くように穏やかな日が続きそうです。仕入れを含めると、遠くのものもつい鼻の先にあるように感じられる忙しさがあったので、それを終えてみるとちょっと話題が底をついてしまったような、意表をついた平穏がやって来たようでもあって、なんて捌けない人だろうと云う気がしています。

常滑の中壺でも口が二重( ふたえ )になっていて、布に身をくるむような恰好をした広口壺です。古色蒼然とした寂れた気配よりも、長く温めていたモチーフを作品にしたというような私的なものに触れる感触があり、明るい茶褐色の土味と穏やかな自然釉は、とても摯実なものを描いた画家によるものとさえ映ります。こと新しい印象を受ける骨董品のなかにあって、ここ数年で最も感じることの多かった物でもあります。

口縁部に欠け、胴部に一筋の引っ掻きが見られますが、その他は好い状態を保っています。

GMTT100

GMT110

GMTT110

常滑広口壺 ( 室町時代 ) 外径 17.8 cm – 高さ 21.4 cm / 価格はお問い合わせ下さい

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南方美術店

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分