レッドウェア 円筒器

赤土の素地にレンガ色の釉が発色した円筒器で、"レッドウェア"と呼ばれるアメリカの陶製器です。ニューヨーク – ペンシルベニア周辺に移り住んだ英国人陶工に拠るもので、原型に"スリップウェア"と云うイギリス陶器を有ちます。

ヨーロッパ陶磁史に少し話を遡らせると、スペインに"アルバレロ(albarello)"と呼ばれる薬を容れた円筒器があり、西欧では筒型はひとつの定型であったように思われます。ニューイングランドと呼ばれるこの地方の特色は、幼少期から棒切れや泥を手に過ごさなければ分かりそうになく、それでも気まぐれな一個人によって移り変わった形や、アメリカ東部と西洋文化の一部が交じり合った地方色( それからピーナツの殻を食卓から投げ入れて遊んでいる様子なども )浮かび上がって来るように思えます。

主にコネチカット州で生産された形と訊きますが、資料に乏しく確証に欠けます。口部に欠けと薄ヒビ、全体に所剥げ等が見られますが、水漏れもなく、概ね好い状態を保っています。

レッドウェア 円筒器( 19世紀中頃 )外径 16.3 cm – 高さ 27.3 cm / 26,000円

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漆桶

漆桶は《 シッツウ 》と読むのですが、桶を《 ツウ 》と読むことに馴染みがなかったり、《 シッツウ 》と云うかしこまった音に耳慣れず、この一言半句には長い間言葉を詰まらせています。"ビリゴ ベリゴ"と啼くつばめの声があるそうですが、物覚えと云うのは音の担う所もあるし、いかにもと様子で覚えているような所があるので、桶にはやはり"おけ"が相応しいように思えます。

木の皮を剥いで、円く巻くような恰好で筒形に作るのが一般的な漆桶の形で、底板は木材を嵌めている物、麻布を貼って漆で固めた乾漆のものとを見かけます。これに樹木から掻いて採集した漆(樹液)を容れて用いる山の道具で、"漆を塗った桶"ではなく、漆を容れた桶のことを指します。

寸胴でも建ちの低い半筒の恰好で、辺り一面黒々と覆われたものよりこちらの方が好みです。胴に箍( たが )を廻した桶らしい作りで、売る為に漆をかけて作ったような粗悪な物も多く竝んでいますが、確りと実用されていた物の好ましさがあります。

漆桶( 時代不詳 )外径 17.6 cm – 高さ 12.4 cm / 65,000円

目白コレクション 2019

10月25日( 金 )から10月29日( 火 )の5日間は催事出店と準備の為、休業日となります。

目白コレクション 2019
10月26日( 土 )12:00 – 18:00
10月27日( 日 )10:00 – 17:00
会場 目白 椿ホール
JR目白駅 徒歩1分
参加 47店

会場中央部の右側に出店しています。どうぞお越しください。

スリップウェア縞文皿( バーナード・リーチ )

高麗薬匙

柳の葉形に作った匙と小さな蓮華を柄の先に象った薬匙です。一般的に見られる 砂張( さはり / 銅と錫などの合金 )の薄手な作りと異なり、銅味が強く、やや厚手な印象があります。高麗は朝鮮を指す言葉でもあり、時代としては李朝時代の物ではないかと思います。道具立てのひとつに用いたようで古裂に収められており、裂傷等もなく好い状態です。

高麗薬匙( 李朝時代 )約 22 cm / 売約済み

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分

藤原盆

夏の虫が葉のへりをかじり、きれいな半円形を作っている間、なにか別のことにかかずらっていると訳もなくふた月も経ってしまう。日に一本限りの列車を待つように随分待ってもう落葉がくるぶしまで積もっているかと思う頃に好きな物が見つかる。そうやって手にした物がどれほどの物かと問われては、せいぜい夏の虫の食った葉のようなものなのですが、最近、その小さな隙間くらいのことに興味が向きます。

藤原盆と云うと人の名と思われそうですが、群馬・藤原を産地とした生活用具の漆盆です。丸盆や扇の形をした朱漆の物は見かけますが、黒漆の四方盆と云うのは稀かと思います。鑿( のみ )による簡単な模様も粗削りな分、手触りまで目に映る感じがされます。酒器や敷台にと使いながら手元に置いてみると良い物だと云う事がしみじみ感じられそうで、一つ二つと酒器を盆上に並べてみてもよく応えてくれる感じがあります。

若干の反りと角の欠けは見られますが、坐りも安定していますので実用性も申し分ありません。

藤原盆 ( 明治頃 )37 cm / 売約済み

南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分

ペルシャ青釉皿

川というより袋状にのびた湖のような雲に覆われていたのか、ようやく季節感があらわれてきたと安堵しています。とうもろこしや干し草畠になったつもりで述べてしまうのですが、様々なものが日に当たるのを待ちわびていたと見えて、水遊びをした後の鮮明さが隅々に感じられるようです。

ペルシャの古陶では青釉皿を手にしました。薄い銀箔を広げたような光彩が翠色に見られ、清らかな水を汲み入れる水盤のように楚々とした気配があります。

釉剥げやカセは見られますが、欠けや損傷はなく好ましい状態を保っています。

ペルシャ青釉皿( 12世紀 )外径 10.7 cm – 高さ 2.4 cm / 売約済み

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硝子小瓶

『 Vitreo ( ガラスの意 )』を語源とするビードロは長崎にポルトガル人が渡来したことによってもたらされた硝子品と云われています。薄張りの硝子で、球体状に吹いた円い胴体に垂直の細い口作り、ムクロジの実のように膨れた恰好にも好ましさを感じます。

ビードロには見られない技法から中国の博山ガラスかとも見えるのですが、色分かれした硝子自体が珍しく、不定見なままです。

硝子の内部に葉片を含む土のような物が透けて見えますが、内容物として意味をもつのか、出土に伴う付着物なのかは判然としません。形状からポッピンと呼ばれる音の鳴る玩具にも思われますが、それにはやや管が短く、容器として作られた壜のようです。

硝子小瓶( 日本あるいは中国 )外径 3.8 cm – 高さ 5.3 cm / 売約済み

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
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新羅泥塔

赤肌色の土味をした泥塔とは趣きの異なる朝鮮の泥土製の小塔です。

浄めた泥土を使って成形( 型抜 )した多重塔のミニチュアで、ビスケットのように香ばしい色を呈しています。尖頂部は偏菱形で、夏花壇にのしかかった五輪塔のような、駒のような、堂々とした形があります。

駒を進める手つきで廻してみると、角度によっては土が残っており、そこから赤味が広がって印象も多様です。

新羅泥塔 ( 統一新羅時代 )幅 3 cm – 高 6.1 cm / 売約済み

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分

陶質土器小壺

千草の似合う灰色の陶質土器で、鉄さび色の胎土や灰の降りかかった斑らな色の対置が美しい小壺です。

すいと身をかわしてゆきそうな小柄な恰好で、掌の上に置いてみたくなる小品の好い気配を漂わせています。

口部に共色の直しが見られますが、丁寧に馴染んでいるために見た目には判らない好ましい補修です。

陶質土器小壺 ( 高麗初期 )外径 5.4 cm – 高さ 4.5 cm / 売約済み

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青銅の鈴

ソウル周辺は一足早く夏を迎えたような陽気で、道々の埃っぽい匂い、模造品の山、開け放った居間の窓から覗くぼろぼろの本など、偶然が見得る位置においた様々な光景に行き合いながらの夏路でした。

韓国で買付けた物はひとつひとつに意味を考えながら清適な気配のある物を揃えられたと手応えもあったのですが、美しいと感じた物のみで決して数は多くありません。墨染めの織物をいくつかと、古陶磁や木の道具、それに高麗の青銅などがあります。

営業日をご確認の上お立ち寄り下さい。

南方美術店