楕円形木箱

天・底板にマホガニーの木を使った西欧の"曲げわっぱ"で、楕円形に成形した筐体に蓋をかぶせる構造の木製容器です。オーソドックスな作りながらそこかしこにアジア圏の物とは異なる手仕事が窺え、西欧の木製品では珍しい形態にも魅力を感じています。

覗き猪口や筒盃のような小さな酒器が二種収まれば良かったのですが、奥行きの薄さからはサンドイッチを容れたものかと想像したくなる小作りな物。用途としては制約を受けそうな形ではありますが、収まりの良い大きさや素材に魅力を任せた道具の味を愉しんで頂きたい小匣です。

内側の両側面に開閉時の擦れが見られます。開閉は固くやや力を要します。木の損傷や籤の編み目に傷みはなく、引き続き長く使えるコンディションを保っています。

楕円形木箱( イギリス 19世紀 ) / 13,000円
外寸法 12 cm × 5.3 cm – 高 10 cm
内寸法 11 cm × 3.5 cm – 高 6.5 cm

エナメル彩リキュールグラス

エナメル顔料を使ってガラスに絵付けする技法は少なくとも十八世紀には一般的といえる程に普及していたようで、海外では単色のものから金銀彩を使ったものまで多彩なガラス製品を見ることが出来ます。

こちらも形の特徴を見せながら"フランスらしい青色"で装飾された蒸留酒用のグラスで、花や文字のないシンプルな輪線文が二条廻っただけのもの。手元の酒器の数々の中に混ざって異国趣味が程よく馴染むようなデザインで、酒器のひとつとして長く置いておきたくなる小品かと思います。

西欧のガラスや白磁など、海外より到着した品物を十点ほど並べました。併せてご覧下さい。

エナメル彩リキュールグラス( フランス 20世紀前半 )口径 3.7 cm – 高 5.3 cm / 6,000円( 商談中 )

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古裂

楓が紅に色づく手前の橙のような色、葉は蓬色で、染色の段階から濃淡の階調が表現された染織物です。本来長い尺のあった物を裁って敷物の幅に仕立て直されているもので、羊毛のような指触りの生地に銅版画の描線風の花模様が型染めされています。

着物木綿の裂ではないかと訊きましたが、私見ではウール( 羊毛 )を綾織した物と捉えています。更紗などと異なり厚手の裂というのも珍しく、茶器をならべたり、小さなものを飾る敷物として愛用したい裂です。

目立った傷みもなく、長くお使い頂ける良好な状態です。

古裂( 江戸時代 )14 × 43.5 cm / 御売約

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初期伊万里蘭文盃

初期伊万里の盃をありふれた等質性のものと感じる方もいるかも知れませんが、器の繕いのベースは和紙によるもので、そこに漆を重ねていく方法で補作されたという盃です。

人の手の入った骨董に自然でないものを感じてしまう場合には、いっそ傷もののままであってくれたらと余分なものの存在を嘆くこともあるものですが、この盃の場合、繕いによって新しく独自なものに基礎づけられている感覚を共感していただけるのではないかと思います。

生掛けの釉薬によく似合った繕いで、蘭文の絵付けや釉調などバランスに長けた盃です。酒器や茶盃としても無理なくお使い頂けます。

初期伊万里蘭文盃( 江戸初期 )外径 6.5 cm – 高 4.5 cm / 御売約

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古銅六器

六器と云うのは香炉の傍らに六つの銅器を並べる習わしからの呼称で、本品はそこから別れたもののひとつとなります。

ひと回り広く鋳られた銅紐状の装飾を伴う銅器で、古色や器形の雄勁さが他と異なる点でしょうか。香立てに使うつもりで灰を敷いてみると相応しさが加わるので自楽しておりました。物質感としての魅力もさる事ながら、常用することで愉しみとなる道具かと思います。

末香の塊なのか、固着を掻き落としながら用いていた痕跡がありますが、道具としてみれば肯定的に捉えられそうなものです。

古銅六器 / 御売約
室町時代
径 8.9 cm – 高 4.6 cm

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白釉大皿( イタリア 18世紀 )

四彩の手慣れた文様が額( ひたい )からぶら下がるような恰好で絵付けされたもので、絵と余白とのバランスによって肌の美しさの利いた素晴らしい西欧陶器の大皿に出合えました。

資料にあるように、マジョリカ陶器には"貴族の紋章"を付した食器一式が博物館のコレクションとして収蔵されており、紋章は注文品に見られる特徴のひとつとしても記載されています。余り詳しい分野ではありませんが、本品もそのような類のものでしょうか。フレンチ・ファイアンスとの区別が難しいのですが、絵様が"余分なもの"としてでなく巧く効果を発揮しているものの好例かと思っています。

おおらかな丸形の器体にフラットとは云いにくい底面があり、ややガタつきがあります。歪みを伴った正円から楕円の麦わら帽型、浅いニュウが十時の方向より見られますが、実用に差し支えなく、長くお役立ていただける器かと思います。

白釉大皿 ( イタリア 18世紀 )径 35.8 cm – 高 5.6 cm / 御売約

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石製印

クロライト( 緑泥石 )製と思われる紐孔付き印章で、古代から多くの面でなんら変わるところのない親しみのある形の石製印です。

底面の文字はアラビックの様で、随分苦心しながら上下の向きこそ検討がついた気がしたものの解読までは至っておりません。中央アジア・バクトリア地方の石製印かと空しく掌のうちで転がせているばかりですが、出土に伴うパティナの質感や、小さくて存在の認めにくい細やかな研磨が様々な面にわたっている形など、小さいながらに存在感を発揮した好ましい発掘小品かと思います。

石製印 ( バクトリア )高 2 cm / 御売約

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青釉扁壺

イランのスーサで出土した同型の遺物の資料を拾い読みしたところに拠れば"携行用の水筒"とされるパルティアの施釉壺で、掌の端で平らに伸ばしたような扁壺に双耳のついたフラスコ形状の提瓶です。

7世紀以降のペルシャ陶器を想起させる釉色ながらパルティアに独特の器形なのでしょうか。時代の下がる出土遺例に同形の物は見つけられず、図録に見られる緑釉や青釉の扁壺との相違点を探っていました。青釉の釉色の上に出土に伴なう銀化を顕したもので、掌に収まりそうな控えめな大きさの輪郭の内側に独特な色が粧飾されています。

"破損が普通の状態"とされるように、器表に斑点状の滲みのように見えるのは共色による補修痕です。両面に複数見られますが目を凝らしても補修であるのか一見判らないほど自然に直されており、美観を保っているのは好所かと思います。

自立不可、水漏れ未確認のため花器とする場合は落しをお使い下さい。

青釉扁壺 / 御売約
径 8.7 cm – 高 10.5 cm
パルティア / アルサケス朝
紀元 1 – 3 世紀頃

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香箸

薄く削った竹材と象牙を格子状に貼り合わせた市松模様の柄で、隅に小さく朱字の銘でも印されていそうな香箸です。

鞘のような箸留めにきちりと収まる作りの良さは指物の技法によるものと考えられそうで、本来お香の火箸として用いられたもののようですが、東福寺の庭園で水菓子を戴きたいような、夏の涼みに役立てたくなる菓子箸の役割など担えそうな趣きがあります。

桐箱に収めると大仰な感じがするのが余り好きではないのですが、分からないままに尊重するよりかは使い途をそれぞれで立てればよいものと思います。そのような事を考えていて共箱を撮り忘れてしまいました。ご容赦ください。

香箸 / 御売約
大正期以降
20 cm
共箱

特定国際種事業許可番号( 象牙製品取扱い )00764

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5月営業日のお知らせ

4月12日より営業を休止させて頂いておりましたが、東京都より5月31日迄の営業自粛延長要請を受け、5月の営業を引き続き全面的に休業させて頂きます。

HP掲載商品等の通販へのお問合せ、またオンラインでの買取査定は引き続き行なっております。

よろしくお願い申し上げます。

南方美術店