初期伊万里蘭文盃

初期伊万里の盃をありふれた等質性のものと感じる方もいるかも知れませんが、器の繕いのベースは和紙によるもので、そこに漆を重ねていく方法で補作されたという盃です。

人の手の入った骨董に自然でないものを感じてしまう場合には、いっそ傷もののままであってくれたらと余分なものの存在を嘆くこともあるものですが、この盃の場合、繕いによって新しく独自なものに基礎づけられている感覚を共感していただけるのではないかと思います。

生掛けの釉薬によく似合った繕いで、蘭文の絵付けや釉調などバランスに長けた盃です。酒器や茶盃としても無理なくお使い頂けます。

初期伊万里蘭文盃( 江戸初期 )外径 6.5 cm – 高 4.5 cm / 御売約

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白釉大皿( イタリア 18世紀 )

四彩の手慣れた文様が額( ひたい )からぶら下がるような恰好で絵付けされたもので、絵と余白とのバランスによって肌の美しさの利いた素晴らしい西欧陶器の大皿に出合えました。

資料にあるように、マジョリカ陶器には"貴族の紋章"を付した食器一式が博物館のコレクションとして収蔵されており、紋章は注文品に見られる特徴のひとつとしても記載されています。余り詳しい分野ではありませんが、本品もそのような類のものでしょうか。フレンチ・ファイアンスとの区別が難しいのですが、絵様が"余分なもの"としてでなく巧く効果を発揮しているものの好例かと思っています。

おおらかな丸形の器体にフラットとは云いにくい底面があり、ややガタつきがあります。歪みを伴った正円から楕円の麦わら帽型、浅いニュウが十時の方向より見られますが、実用に差し支えなく、長くお役立ていただける器かと思います。

白釉大皿 ( イタリア 18世紀 )径 35.8 cm – 高 5.6 cm / 御売約

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李朝初期白磁明器

静かな場所あり、小豆ありで、読書が捗る。アーモンドが五臓の薬だったと豆知識を得て、次いで〈 肺が乾燥するのを防ぐ 〉という馴染みのない効能をみつける。小豆では駄目だろうか、と類似を考えてみる。

ジョン・アップダイクの『 同じひとつのドア 』を毎年初夏に読むことが習慣化しているのですが、白磁が好ましく見える時季を迎えて一所に集めてみたくなる。穏やかな日に穏やかなものを見るという倣ったような事でも、不思議なもので、一たび白磁白磁と思い込んでしまうと他のどんな形象も目に入らぬほど心を引くのが白磁の魅力のような気がします。

ミニチュアの小品で使い途の立てにくい物ではありますが、肌が非常に良い器で選んだものです。アーモンド三粒、小豆ならもう少し載ります。口縁部に窯疵が1ヶ所ありますが、状態は良好です。

白磁明器( 李朝初期 )径 5.2 cm – 高 2.3 cm / 御売約

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古伊万里瑠璃釉猪口

年が明けて物事も緩やかに動き始めていますが、何となく消極的でまごついていたインスタグラムのアカウントを開設致しました。日曜版のようなつもりで、いままでのように身辺に持ち上った小さな出來事について話をつづけて行くつもりです。どうぞよろしくお願い致します。

古伊万里の覗き猪口と呼ばれる形ですが、右肩上がりで、可笑しな恰好に傾いているのは不測のことです。曲がりなりにも瑠璃釉という姿勢を保っているところに返って好ましさがあり、瑠璃色の斑らな調子にも動きが感じられます。

無疵・完品。

古伊万里瑠璃釉猪口 ( 江戸時代 )外径 5.4 cm – 高 5.4 cm / 御売約

白安南縞手筒茶碗

安南( ベトナム )の陶器では無地のものが余り見られないのですが、柔かな象牙色に白の縞の入った碗は尚珍しい。石の柱の立った邸宅や、よくひびく石の床をおもわせる乳白色で、あふれる明るさをゆったりと膨らませたような容姿をしています。

白安南とも呼ばれる白釉陶器で、見込みに鏡と呼ばれる円形のくぼみがあって茶陶にも好ましい作りをしています。東洋ならではの親近感からかなつかしそうにながめながら胸を詰まらせてしまいそうになるのですが、これまで安南陶器に親しんで来なかった方にも手にして頂きたいと感じている良碗です。

口縁部に金繕いがあり、そこから6センチ程度の薄いニュウが下方に向かって通っています。その他に目立った疵はなく、好い状態を保っています。

白安南縞手筒茶碗 ( 十四世紀 )外径 11 cm – 高さ 8.9 cm / 売約済み

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別途送料(全国一律)600円/振込手数料がかかります。

南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

李朝白磁徳利

GRHT161

李朝白磁でも乳瓶の形で、脂肪質のやわらかな印象のある徳利です。

白磁のその見た目にも感触にも和らぐ魅力は、生硬に語られるよりも、読み書きの手ほどきのように手にすることによって得られるものがあるので、すぐに巧みな力でとらえられてしまう。雨漏りと評して良いかは判りませんが、古色の好く呈したもので、厚みのある生掛けの釉薬には喉につまった石が溶けたような感触があり、日ごと愛着を増していく替えの利かない魅力があると感じます。白磁の傑れたものが様々にある中でも、殊更に好い感触を得られたものです。

胴部にひっつき、口縁部に小さなソゲとニュウ、高台外縁部にソゲがそれぞれ一箇所見られます。容量でおおよそ200ccと酒器に最も適した嬉しい寸法で、匂い、水漏れもなく、長く使って愉しんで頂けます。

桐箱が付属します。

GRHT160

GRHT165

GRHT162

李朝白磁徳利 ( 乳瓶 ) 外径 6.8 cm – 高さ 17.2 cm / 売約済み

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

企画展 玩具コレクション 《 2018. 9.22 – 9.30 》

MOC3

派手な宣伝もなく、いつの間にか始まり終わっているようなひっそりとした企画です。

鉄、木、刺繍、文房具、人形、オブジェ、古道具など、なかなか数の集まらないものを約50点揃えました。ほとんどが数千円という遊び心からなるものですが、価格なりに愉しんで頂けると思う物を丁寧に選ばせて頂きました。初心(うぶ)な気持ちと、これまで古い物を見ながら感じたこととを恥ずかしながら見て頂く機会としたいと思います。これから古い物を蒐めはじめるという方にも愉しめる企画展にしたいと思いますので、どうぞお誘い合わせの上お越し下さい。

※ 企画趣旨の都合上、ご購入頂いた品は会期終了後にお引取り / または郵送でのお渡しとなります。

その他、常設販売品も並びます。( 常設販売品は当日お持ち帰り頂けます。)

企画展 玩具コレクション
会期:2018年9月22日( 土 ) – 30日 ( 日 ) – 終了致しました –
時間:12:00 – 19:00 ( * 23日のみ休業日 )
会場:南方美術店

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

白釉ポット ( イングリッシュデルフト )

GEDC104

寒さに雪を伴ってしまうとただ日を繰るばかりで、窓覆いを引き下して暖をとり、温かい御茶を沸かしては飲みという日が続きます。趣味や読書に思い耽り、しばらく無聊( ぶりょう )をかこつと、いつの間にか跡切れるようにして雪は溶けているという具合で、寒い寒いとひとりごちていた日も、離れてゆこうという段になると惜しまれるのが不思議です。

オランダのデルフト陶器にもイギリスで作陶されたイングリッシュデルフトと云うものが在ります。穏やかと言うと白くて柔らかいとか、目に優しいなどと云いますが、ここで云うのは新しい杉の鉛筆や、一綴りの紙片などの書き物に交じって、端なく置かれたものに対する親密さのようなものかもしれません。

口縁部に僅かに釉剥げが見られますが、嬉しいことにかなり好い状態で残っています。ニュウの他、中心から二つに割れてしまった物を丁寧に溶着した痕が見られます。

GEDC101

GEDC102

白釉ポット ( 17 – 18世紀 ) 外径 4.7 cm – 高さ 3.5 cm / 売約済み

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西欧白釉陶器

GGHK150

低火度で焼かれた軟陶のような釉調で、ゆったりとした筒状の白釉器ゆえに御茶席で建水( 湯こぼし )として用いられていたそうです。

このような形だと西欧では元来何に使ったのだろうと考えているのですが、フェルメールはデルフトの古い筒容器を絵の具入れとして使っていたとも訊くし、ドイツの古い映画では仔牛が草を食む( はむ )のにストーンウェアを使っていたので、よく軟膏であったりクリームを入れた容器と教えられるのには共感できない。町の景色の一番端の方で印象淡く、どこにも属さないでひっそりとしていたのを茶人に拾われて、たまたま建水などに使われてしまったという筋書きの方が愉しいように思います。

胡粉を混ぜたような淡い灰色が白一色の中に斑をつくっていて、象牙のように白皙な色も冬によく合います。下縁部に小さな欠けが二箇所ありますが、その他に目立った傷は見られず水漏れもありません。桐箱が付属します。

GGHK151

GGHK152

GGHK158

西欧白釉陶器 ( ドイツ 20世紀初頭 )外径 14.7 cm – 高さ 9.6 cm / 売約済み

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春の鎌倉古美術展

明日より二日間、春の鎌倉古美術展に参加します。

http://buddhismart.ec-net.jp/2017-kamakura-haru.html

一階のフランク・ロイド・ライト風に建築された洋間と、二階の畳敷きの部屋とがあって、鎌倉の奥まった土地で、長閑な時間を感じられる避暑地のようなところに会場はあります。混雑もありませんので、皆くつろいでいます。古美術の話ばかりでなく、雑談などできるのがこの催事のよいところで、無用な線引きは存在しません。玄関にはウェルカムシャンパンなども用意されている和みようです。鎌倉観光がてら、お立寄り下さい。

春の鎌倉古美術展
会場 : 西御門サローネ( 旧里見弴邸 )
会期 : 2017年5月6日(土)- 5月7日(日)11時 – 17時30分

http://www.nishimikado-salone.jp/index.html

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