黒楽茶碗 ( 楽九代 了入 )

日の穏やかな毎日を過ごしていたために雪ともなると衣服を重ねる準備に追われています。少し暖かい感じのある生地を背景に、冬向きの筒茶碗をご紹介したいと思います。

碗相( わんそう )と云うのは茶を点ててみて分かる茶碗の相のことで、普段であれば物はあたかもそれ自体で自存する実体であるかのように把捉するのですが、そうではないという簡単な主張を有ちます。楽美術館でいくつもの茶陶を見ることと、実際に茶を点てて体感することとはやはり別なので、手に拾いあげて間近く来た時、大きく映った碗に心づくものを長く使って愉しむ中で感じることの出來る嬉しさと、鑑賞としての愉しみとが味わえるものではないかと思います。

正面の向きに漆による補修が見られ、繪のくちばし付近には2センチ角の損傷を別の陶器をつかって埋め合わせた箇所も見られるなど、疵ものではありますが、見た目に厭なところのないよう巧く補修されていると思います。低火度による焼成で全体に薄い貫入が通っていますが、これも茶を点てて試してみたところ実用に差し支えないようです。安心してお使い下さい。

楽九代 了入
隠居印 ( 1811 – 1834 )
古箱
江戸後期
外径 10 cm – 高さ 10.9 cm
売約済み

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古代ローマ 馬の飾り

青銅の装飾品で、短刀の柄頭( つかあたま )として嵌められていた馬のマウントです。

ローマの柱廊遺跡出土品ではローマ軍や剣闘士の刀に神話と関連をもつ青銅製の柄頭が見られ、語るに及ぶほどの知識はないのですが、余り高価でないので佳いものがあればと捜している小品です。ローマ美術を掌の上で遊ぶ愉しみも、ごくありきたりの影の吟味をするのも同旨なのですが、馬と云うモチーフも好みながら傑れた彫刻の気配があって中々嬉しいものが見つかったと喜んでいます。

西欧ではよくあるように、“ cleaned and treated / 洗浄と保護による手入れ” を施していて、全体に薄い油膜による艶が見られます。古色を覆った艶はそぐわないものに思えますが、小品としての魅力は充分保たれています。

古代ローマ 馬の飾り( 1 – 3世紀 )外径 2.7 cm – 高さ 3.1 cm / 売約済み

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

古根付 ( 鬼の念仏 )

“鬼の念仏”の話をしていたところに出合った小さな古根付です。

行儀よく、嬉しそうに立っていると云う印象で、コマを廻すような手つきで触れると、平らな背や前屈みの頭、扁平な足など、只のミニアチュールではなく、重心のバランスにまで及んで細工されていることに感心させられます。

穴のあくほど見たためか、木はトロトロとした艶を帯びて黒に近いほど深い飴色になっているのですが、衣ずれの音や、敷石の上をコツコツ踏んでくるのがいまにも聞こえてくるように思って、“鬼の念仏”には子どもの夜泣きがなおるという言い伝えもあり、飾り置いても、肌身離さず携えても好いものと思います。

古根付 ( 鬼の念仏 / 江戸時代 )高さ 5.7 cm / 38,000円

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

絵唐津酒盃

暢びやかな絵が変形を囲うように描かれていて、何処か馴染み易い印象を受けます。筒形の向付に較べて丈半分の恰好が親しみやさを醸しているのか、花や小鳥もなく、過分に力を込めていない絵様は余白が利いていて、なんの文様かと好んで考えてみたくなる佳さがあります。

酒盃と云ってもゆったりした物なので、あるいは御茶を味わうにも適した容かと試してみると猫のひたいのように感じられるかもしれませんが、手の形によく馴染み、片口にもなるなど利点も多いものと思います。

こちらはお預りによる委託品なのですが、身うちのものにめぐり合ったように気に入っていて、皆さまに見て頂きたいと考えたひと品です。光沢のない金で繕った直しがあり、細かな共継ぎが施されています。

古唐津酒盃 ( 桃山 – 江戸初期 ) 径 7.7 〜 9.9 cm – 高さ 5.5 cm / 売約済み

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

献春

ロシア絵画の展覧会でレヴィタンの繪を見られたのは嬉しい。どの繪にも心を高める感激があるし、繪の大部分を色付けている平野や自然林も美しい。以前は余り気に留めていなかった時間も次第に大事になっているように思って、新年の抱負と云うのでもないのですが、今年は多くのことに取り組みたいと思っています。

新年1月5日より営業致しております。1月6日は催事出店のためお休みです。どうぞお運びください。

南方美術店

李朝螺鈿小抽斗

GRRH10

朝鮮の儒教にまつわる調度品では文房具が好きで、書きもの机に配された筆や硯などの取り合わせの中には文物に込められた深い感情を見つけることが出来ます。

上段に若干の剥離などが見られます。

GRRH11

GRRH12

GRRH13

GRRH15

GRRH14

李朝螺鈿小抽斗 ( 李朝時代 )横幅 26 cm – 奥行 23.3 cm – 高さ 26 cm / 75,000円

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

丸盆

GEEP171

日延べされた夏を過ぎると、冬支度を前に短い時間がある。ナボコフの短編集が読みたいのですが、とても読み了りそうもない。雀の鼻より短いじゃありませんか──と扁平な顔の男が答える。”雀はもうとっくに南へ行きましたで”。ナボコフ風のこしらえ話であります。

鑿や鉋などによる刳り貫き盆です。大きく構えたものながら細やかな感情の通うもので、大味にならないのが好所かと思います。重みを増したように円熟した古色があり、明瞭な木目は近々と混じり合って、三々五々に散らばった酒器を一つところにまとめて置くと新鮮な気分が滲みます。

塑性変形と云うのか、乾燥による亀裂が口縁部に二箇所見られますが、実用には差し支えありません。平底、ガタつきもなく、立ち上がりも控えめで理想的な木味です。

丸盆 ( 詳細不明 )外径 42.8 cm – 高さ 3.5 cm / 売約済み

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

企画展 玩具コレクション 《 2018. 9.22 – 9.30 》

MOC3

派手な宣伝もなく、いつの間にか始まり終わっているようなひっそりとした企画です。

鉄、木、刺繍、文房具、人形、オブジェ、古道具など、なかなか数の集まらないものを約50点揃えました。ほとんどが数千円という遊び心からなるものですが、価格なりに愉しんで頂けると思う物を丁寧に選ばせて頂きました。初心(うぶ)な気持ちと、これまで古い物を見ながら感じたこととを恥ずかしながら見て頂く機会としたいと思います。これから古い物を蒐めはじめるという方にも愉しめる企画展にしたいと思いますので、どうぞお誘い合わせの上お越し下さい。

※ 企画趣旨の都合上、ご購入頂いた品は会期終了後にお引取り / または郵送でのお渡しとなります。

その他、常設販売品も並びます。( 常設販売品は当日お持ち帰り頂けます。)

企画展 玩具コレクション
会期:2018年9月22日( 土 ) – 30日 ( 日 ) – 終了致しました –
時間:12:00 – 19:00 ( * 23日のみ休業日 )
会場:南方美術店

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

ビザンチン帝国の青銅貨

GBYZ5

ビロン( billon )というのは銀に少量の卑金属を混ぜた合金、あるいは銅に少量の銀を含んだ合金で、青銅貨とも劣銀貨とも云います。

古い貨幣の愉しさと云うのか、碗形のレリーフはあまりいたずらっぽいので、とても真面目な経済のものとは思えない。慌てて作ったにしろ、おもむろに始まった出来事を、誰も前に進めようとしないで遊んでばかりいるような、銀紙に包まれた3時の茶菓子のような作りが魅力です。

絵柄によってよりも重さで価値が決められていたように想像するのですが、形を含めて分からないことの多いものでもあります。少しでもスケールの大きなもの、型押しのよいものを蒐めています。

GBYZ3

ビザンチン帝国の青銅貨 ( 12 – 13世紀 ) 径 2.5 〜 3 cm / 1p 6,000円

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青銅杯

GKKF4

東洋では砂張( さはり )という青銅器が古来より在りますが、錫の含有量の違いによってか、それとは異なる古色が地金の上に呈しています。石川県で作られる合鹿椀( ごうろくわん )にも似たフォルムで、ローマ帝国時代の青銅器です。

目に見える旋盤や同心円状の三条の線に形のへしゃげた胴あいの美しさが重なり、舎利容器を除けば、青銅器でこのような形は初めて手にします。形が歪んだことによって生じた斜線や曲線は製図に見られる実線のようで、青銅器時代の鉄器のほとんど、あるいはすべてが隕石から抽出されているという学識は青銅器に於いては当て嵌まらないのかもしれませんが、地上的な美しさとは言えない異質性もあるように思えます。小指ほどの小さなものですが、非常に好きなものです。

4/28、29は 《 春の鎌倉古美術展 》 参加のため店舗は休業致します。
皆さまお誘い合わせの上、ぜひお越し下さい。

5月の営業日は営業カレンダーを更新しましたのでご確認下さい。

GKKF5

GKKF6

古代ローマ 青銅杯 ( 紀元2世紀頃 ) 径 5.5 cm – 高さ 3.3 cm / 売約済み

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分