白釉大皿( イタリア 18世紀 )

四彩の手慣れた文様が額( ひたい )からぶら下がるような恰好で絵付けされたもので、絵と余白とのバランスによって肌の美しさの利いた素晴らしい西欧陶器の大皿に出合えました。

資料にあるように、マジョリカ陶器には"貴族の紋章"を付した食器一式が博物館のコレクションとして収蔵されており、紋章は注文品に見られる特徴のひとつとしても記載されています。余り詳しい分野ではありませんが、本品もそのような類のものでしょうか。フレンチ・ファイアンスとの区別が難しいのですが、絵様が"余分なもの"としてでなく巧く効果を発揮しているものの好例かと思っています。

おおらかな丸形の器体にフラットとは云いにくい底面があり、ややガタつきがあります。歪みを伴った正円から楕円の麦わら帽型、浅いニュウが十時の方向より見られますが、実用に差し支えなく、長くお役立ていただける器かと思います。

白釉大皿 ( イタリア 18世紀 )径 35.8 cm – 高 5.6 cm / 御売約

メールによるご注文こちらから」

石製印

クロライト( 緑泥石 )製と思われる紐孔付き印章で、古代から多くの面でなんら変わるところのない親しみのある形の石製印です。

底面の文字はアラビックの様で、随分苦心しながら上下の向きこそ検討がついた気がしたものの解読までは至っておりません。中央アジア・バクトリア地方の石製印かと空しく掌のうちで転がせているばかりですが、出土に伴うパティナの質感や、小さくて存在の認めにくい細やかな研磨が様々な面にわたっている形など、小さいながらに存在感を発揮した好ましい発掘小品かと思います。

石製印 ( バクトリア )高 2 cm / 御売約

メールによるご注文こちらから」

レッドウェア 円筒器

赤土の素地にレンガ色の釉が発色した円筒器で、"レッドウェア"と呼ばれるアメリカの陶製器です。ニューヨーク – ペンシルベニア周辺に移り住んだ英国人陶工に拠るもので、原型に"スリップウェア"と云うイギリス陶器を有ちます。

ヨーロッパ陶磁史に少し話を遡らせると、スペインに"アルバレロ(albarello)"と呼ばれる薬を容れた円筒器があり、西欧では筒型はひとつの定型であったように思われます。ニューイングランドと呼ばれるこの地方の特色は、幼少期から棒切れや泥を手に過ごさなければ分かりそうになく、それでも気まぐれな一個人によって移り変わった形や、アメリカ東部と西洋文化の一部が交じり合った地方色( それからピーナツの殻を食卓から投げ入れて遊んでいる様子なども )浮かび上がって来るように思えます。

主にコネチカット州で生産された形と訊きますが、資料に乏しく確証に欠けます。口部に欠けと薄ヒビ、全体に所剥げ等が見られますが、水漏れもなく、概ね好い状態を保っています。

レッドウェア 円筒器( 19世紀中頃 )外径 16.3 cm – 高さ 27.3 cm / 26,000円

メールによるご注文こちらから」

古代ローマ 馬の飾り

青銅の装飾品で、短刀の柄頭( つかあたま )として嵌められていた馬のマウントです。

ローマの柱廊遺跡出土品ではローマ軍や剣闘士の刀に神話と関連をもつ青銅製の柄頭が見られ、語るに及ぶほどの知識はないのですが、余り高価でないので佳いものがあればと捜している小品です。ローマ美術を掌の上で遊ぶ愉しみも、ごくありきたりの影の吟味をするのも同旨なのですが、馬と云うモチーフも好みながら傑れた彫刻の気配があって中々嬉しいものが見つかったと喜んでいます。

西欧ではよくあるように、“ cleaned and treated / 洗浄と保護による手入れ” を施していて、全体に薄い油膜による艶が見られます。古色を覆った艶はそぐわないものに思えますが、小品としての魅力は充分保たれています。

古代ローマ 馬の飾り( 1 – 3世紀 )外径 2.7 cm – 高さ 3.1 cm / 売約済み

メールによるご注文こちらから」
別途送料(全国一律)600円/振込手数料がかかります。

南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

企画展 玩具コレクション 《 2018. 9.22 – 9.30 》

MOC3

派手な宣伝もなく、いつの間にか始まり終わっているようなひっそりとした企画です。

鉄、木、刺繍、文房具、人形、オブジェ、古道具など、なかなか数の集まらないものを約50点揃えました。ほとんどが数千円という遊び心からなるものですが、価格なりに愉しんで頂けると思う物を丁寧に選ばせて頂きました。初心(うぶ)な気持ちと、これまで古い物を見ながら感じたこととを恥ずかしながら見て頂く機会としたいと思います。これから古い物を蒐めはじめるという方にも愉しめる企画展にしたいと思いますので、どうぞお誘い合わせの上お越し下さい。

※ 企画趣旨の都合上、ご購入頂いた品は会期終了後にお引取り / または郵送でのお渡しとなります。

その他、常設販売品も並びます。( 常設販売品は当日お持ち帰り頂けます。)

企画展 玩具コレクション
会期:2018年9月22日( 土 ) – 30日 ( 日 ) – 終了致しました –
時間:12:00 – 19:00 ( * 23日のみ休業日 )
会場:南方美術店

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

ビザンチン帝国の青銅貨

GBYZ5

ビロン( billon )というのは銀に少量の卑金属を混ぜた合金、あるいは銅に少量の銀を含んだ合金で、青銅貨とも劣銀貨とも云います。

古い貨幣の愉しさと云うのか、碗形のレリーフはあまりいたずらっぽいので、とても真面目な経済のものとは思えない。慌てて作ったにしろ、おもむろに始まった出来事を、誰も前に進めようとしないで遊んでばかりいるような、銀紙に包まれた3時の茶菓子のような作りが魅力です。

絵柄によってよりも重さで価値が決められていたように想像するのですが、形を含めて分からないことの多いものでもあります。少しでもスケールの大きなもの、型押しのよいものを蒐めています。

GBYZ3

ビザンチン帝国の青銅貨 ( 12 – 13世紀 ) 径 2.5 〜 3 cm / 1p 6,000円

メールによるご注文こちらから」
別途送料(全国一律)600円/振込手数料がかかります。

青銅杯

GKKF4

東洋では砂張( さはり )という青銅器が古来より在りますが、錫の含有量の違いによってか、それとは異なる古色が地金の上に呈しています。石川県で作られる合鹿椀( ごうろくわん )にも似たフォルムで、ローマ帝国時代の青銅器です。

目に見える旋盤や同心円状の三条の線に形のへしゃげた胴あいの美しさが重なり、舎利容器を除けば、青銅器でこのような形は初めて手にします。形が歪んだことによって生じた斜線や曲線は製図に見られる実線のようで、青銅器時代の鉄器のほとんど、あるいはすべてが隕石から抽出されているという学識は青銅器に於いては当て嵌まらないのかもしれませんが、地上的な美しさとは言えない異質性もあるように思えます。小指ほどの小さなものですが、非常に好きなものです。

4/28、29は 《 春の鎌倉古美術展 》 参加のため店舗は休業致します。
皆さまお誘い合わせの上、ぜひお越し下さい。

5月の営業日は営業カレンダーを更新しましたのでご確認下さい。

GKKF5

GKKF6

古代ローマ 青銅杯 ( 紀元2世紀頃 ) 径 5.5 cm – 高さ 3.3 cm / 売約済み

メールによるご注文こちらから」
別途送料(全国一律)600円/振込手数料がかかります。

南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

白釉ポット ( イングリッシュデルフト )

GEDC104

寒さに雪を伴ってしまうとただ日を繰るばかりで、窓覆いを引き下して暖をとり、温かい御茶を沸かしては飲みという日が続きます。趣味や読書に思い耽り、しばらく無聊( ぶりょう )をかこつと、いつの間にか跡切れるようにして雪は溶けているという具合で、寒い寒いとひとりごちていた日も、離れてゆこうという段になると惜しまれるのが不思議です。

オランダのデルフト陶器にもイギリスで作陶されたイングリッシュデルフトと云うものが在ります。穏やかと言うと白くて柔らかいとか、目に優しいなどと云いますが、ここで云うのは新しい杉の鉛筆や、一綴りの紙片などの書き物に交じって、端なく置かれたものに対する親密さのようなものかもしれません。

口縁部に僅かに釉剥げが見られますが、嬉しいことにかなり好い状態で残っています。ニュウの他、中心から二つに割れてしまった物を丁寧に溶着した痕が見られます。

GEDC101

GEDC102

白釉ポット ( 17 – 18世紀 ) 外径 4.7 cm – 高さ 3.5 cm / 売約済み

メールによるご注文こちらから」
別途送料(全国一律)600円/振込手数料がかかります。

南方美術店

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

マヨリカ 鳥文碗 ( 陶片 )

g_spanish_majolica_bird_4

鳥文はペルシャ三彩の影響を受けたスペインのマヨリカ陶の伝統の一部で、それ自体に作家の個性はないのですが、様式的なものという印象はさほどなくて、歴史的に多くの土地の文化を織り込んでいることと、陶片であることとが複雑に絡み合って何かしら心を惹きつけるものがあります。

画面を鑑賞するよりもそれならではの形によって眺められる佳さがあって、動きが少なく、吟味すべきニュアンスがあり、作家の画がそうであるように可視できないものを見ているという感覚は説明が難しい。読書が省いてしまっているものを直截手に取り感じ取るような体感と云えばいいでしょうか。価値も趣意もはっきりとしない物に新しい感触を掘り起こされて、色眩しさも適度に落ち着きが感じられるため長く眺めていることができます。

高台から推定するに直径13センチ、高さ6cm程の碗であったと思われます。高台部分はしっかりと残っており、形のよさなど玩味して頂きたい小品です。

g_spanish_majolica_bird_2

g_spanish_majolica_bird_3

マヨリカ 鳥文碗 陶片 ( スペイン 15 – 16世紀 ) 9 × 10.2 cm – 高さ 6.2 cm / 売約済み

メールによるご注文こちらから」
別途送料(全国一律)600円/振込手数料がかかります。

南方美術店

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

西欧白釉陶器

GGHK150

低火度で焼かれた軟陶のような釉調で、ゆったりとした筒状の白釉器ゆえに御茶席で建水( 湯こぼし )として用いられていたそうです。

このような形だと西欧では元来何に使ったのだろうと考えているのですが、フェルメールはデルフトの古い筒容器を絵の具入れとして使っていたとも訊くし、ドイツの古い映画では仔牛が草を食む( はむ )のにストーンウェアを使っていたので、よく軟膏であったりクリームを入れた容器と教えられるのには共感できない。町の景色の一番端の方で印象淡く、どこにも属さないでひっそりとしていたのを茶人に拾われて、たまたま建水などに使われてしまったという筋書きの方が愉しいように思います。

胡粉を混ぜたような淡い灰色が白一色の中に斑をつくっていて、象牙のように白皙な色も冬によく合います。下縁部に小さな欠けが二箇所ありますが、その他に目立った傷は見られず水漏れもありません。桐箱が付属します。

GGHK151

GGHK152

GGHK158

西欧白釉陶器 ( ドイツ 20世紀初頭 )外径 14.7 cm – 高さ 9.6 cm / 売約済み

メールによるご注文こちらから」
別途送料(全国一律)600円/振込手数料がかかります。

南方美術店

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分