切子ガラス小瓶

西アジアから中国の宋王朝に運ばれたガラスの中にイスラームガラスの小瓶がある。主にはバラ水を容れて運ばれて来たことが『 宋史 』に記されていて、イスラムに於いては宗教儀式に用いるための聖水として、あるいは飲用,薬用,香水等──意外と言うべきか、バラ水は現在と余り変わらない使い途であったという事が分かります。

ガラス史の英文を苦労しながら読むと、イスラムの場合、ガラスは飲料を飲むために作られた物が大抵で、それは陶器が発達したためにガラスの役割が変化したことを意味しているとされている。切子装飾のあるガラスは豪奢だからと、使い終ったシャネルの香水瓶のようなものと言うには語弊があるのでしょうが、手間を加えたものには少なからず付加価値があったと考えられそうです。

植物灰のソーダガラスによる無色に近い失透性の淡緑色、宙吹きで作った厚手のガラスに幾何学的な切子( カット )が施されています。東博の収蔵品と類似する小品ですが、こちらは頸部欠損、その他細かな欠け等あります。

切子ガラス小瓶( 9 – 11 世紀頃 )高 4 cm / 御売約済み

メールによるご注文こちらから」

青銅小品

ローマ人の白い袈裟を纏った石膏像など見ると、腰に細い紐を巻いて袈裟の帯としている物があり、ベルトの事かというとあちらでは"バンド"と細かな区別があるのだそうです。

ローマかビザンチン帝国のものかと問われると曖昧なままなのですが、形に愛嬌があり、ヴィクトル・ユーゴーのように恐ろしい顔をした石膏像であってもワンポイント中和されそうな小動物風な妙があります。全体に金で覆われていた当時のゴージャスな容姿と比べるとすっかりただの小熊のようにおとなしい有り様ですが、細紐を使った実用性を考慮できそうな愉しい小品というのも、役に立つと言えば立つし、存在としては不可欠なものだと思うのです。

表面に僅かばかりおまけのような鍍金の痕が見られます。

青銅小品( ローマ 〜 ビザンチン帝国 )1.6 × 2 cm / 御売約

メールによるご注文こちらから」

目白コレクションのご案内

2020年10月17日より2日間の日程で《 目白コレクション 》が開催されます。古美術の催事として参加させて頂いている数少ない行事のひとつで、店を構える以前から通わせて頂いていた思い入れのある催事でもあります。今春の開催は中止となっていたため、昨秋以来の開催です。当店は入口より右手奥に進んで頂き、会場右角の手前に出店させて頂きます。どうぞお誘い合わせの上お越しください。

目白コレクション出品商品 1
桜材木箱( 旅枕 )

桜の樹皮で作られた木箱です。江戸時代に旅枕として携えられた野趣あるもので、茶箱あるいは漆桶のような味深さを立方体の佇まいで所持した稀ものと惚れこんでいます。目白コレクションにてご覧下さい。

目白コレクション 2020 秋
10月17日( 土 )12:00 〜 18:00
10月18日( 日 )10:00 〜 16:00
目白 椿ホール( 入場無料 )
東京都豊島区目白1-4-8 デサントビルB1F
JR目白駅徒歩1分

http://www.mejirocollection.com/sp/

青硝子面取り玉

色硝子としては透化性の高い古代硝子の首飾玉で、深いターコイズブルーが光による誇張などなく視認出来るところが魅力かと思います。

いわゆるペルシアの硝子として区分されるものは産地、製作年代の特定の難しい分野ではありますが、面取り硝子の中心部に孔を穿ったビーズで、特徴を鑑みると紀元後の作りの物と思われます。硝子は出土に伴う欠け等が散見される状態ではありますが、古代硝子の魅力のひと端に触れるには充分な要素をもつものと思い手に取りました。紐を通して身につけることも可能な小品です。

青硝子面取り玉( 紀元後〜 )径 1 cm / 御売約

メールによるご注文こちらから」

石製印

クロライト( 緑泥石 )製と思われる紐孔付き印章で、古代から多くの面でなんら変わるところのない親しみのある形の石製印です。

底面の文字はアラビックの様で、随分苦心しながら上下の向きこそ検討がついた気がしたものの解読までは至っておりません。中央アジア・バクトリア地方の石製印かと空しく掌のうちで転がせているばかりですが、出土に伴うパティナの質感や、小さくて存在の認めにくい細やかな研磨が様々な面にわたっている形など、小さいながらに存在感を発揮した好ましい発掘小品かと思います。

石製印 ( バクトリア )高 2 cm / 御売約

メールによるご注文こちらから」

青釉扁壺

イランのスーサで出土した同型の遺物の資料を拾い読みしたところに拠れば"携行用の水筒"とされるパルティアの施釉壺で、掌の端で平らに伸ばしたような扁壺に双耳のついたフラスコ形状の提瓶です。

7世紀以降のペルシャ陶器を想起させる釉色ながらパルティアに独特の器形なのでしょうか。時代の下がる出土遺例に同形の物は見つけられず、図録に見られる緑釉や青釉の扁壺との相違点を探っていました。青釉の釉色の上に出土に伴なう銀化を顕したもので、掌に収まりそうな控えめな大きさの輪郭の内側に独特な色が粧飾されています。

"破損が普通の状態"とされるように、器表に斑点状の滲みのように見えるのは共色による補修痕です。両面に複数見られますが目を凝らしても補修であるのか一見判らないほど自然に直されており、美観を保っているのは好所かと思います。

自立不可、水漏れ未確認のため花器とする場合は落しをお使い下さい。

青釉扁壺 / 御売約
径 8.7 cm – 高 10.5 cm
パルティア / アルサケス朝
紀元 1 – 3 世紀頃

メールによるご注文こちらから」

ファイアンスビーズ

石英を主原料に焼成されたエジプト新王国時代の管形ファイアンスビーズです。一般に見られる色釉のビーズの中でも厚みをもたず、繊維のように華奢な形に魅力を感じます。出土品の中から選定し、紐に通して環状に組み直されたものですが、好ましい見繕い方をされた鑑賞用の小品です。

ファイアンスビーズ( エジプト新王国時代 )
紀元前 1567 – 1085 年
管長さ 約 1.5 cm – 正円形に設置し計測の径 7 cm
御売約

メールによるご注文こちらから」

赤色磨研土器香炉( 火屋 : 長谷川竹次郎 造 )

中国赤色磨研土器の見立て香炉です。金工師長谷川竹次郎氏による銀製火屋を誂えたもので、氏の旧蔵品と伺っています。

磨研土器は紅山文化頃と考えますが、浅学にて考証は済んでおりません。三ツ脚と重なる突起が見られ、形態、色彩、共に香炉としての用を考え抜かれた佳品だと思います。

火屋は無銘です。本体にヒビの共色補修がありますが、概ね好い状態を保っています。

赤色磨研土器香炉( 火屋 : 長谷川竹次郎 造 )
径 6.3 cm – 高 4.3 cm / 御売約

メールによるご注文こちらから」

小銅鏡

出土した高麗鏡のように朽ちたり緑青を伴なう物ではありませんが、朝鮮の小型鏡を2種竝べてみました。

和鏡や中国の青銅鏡と較べて鏡背面の模様が素朴で、抹香臭さのない、生活様式から得た意匠を写したものと感じられるのが長所でしょうか。威厳はありませんが、その気取らない寛かな調子が好きで、何心なく目に入って嬉しいようなものを喜びの種と名づけているのですが、そこに当て嵌まると感じている小品です。

いずれも高麗鏡より時代の下がる物のようですが、平頭紐( 紐を通す孔 )が中央に配され、高麗より地続きの朝鮮らしい造りを保っています。

小銅鏡( 李朝時代 )
径 4.5 cm / 御売約
径 5.5 cm / 20,000円

メールによるご注文こちらから」

水晶切子玉と赤瑪瑙管玉

ソウルの国立中央博物館では《 伽耶の本質展 》が催されていますが、本場とあって日本では中々見られない伽耶土器を多く見られた事は収穫でした。館内を徘徊すると水晶切子玉と赤瑪瑙管玉も展示されており、朝鮮の水晶などは余り美しく保たれているので古来のそれとは気づかぬような出来栄えです。

等級として比較して良いかは判りませんが、手元に収めた2つの出土遺物はお気に入りの2種で、何か共通する存在をそれぞれの内に感じます。管玉などどれも大同小異で、安く手中に収められればいいと考える方もあるかもしれませんが、選ぶ段になってこれと決めるくらい魅力のあるものを求めたい方に見て頂きたい佳品です。

いずれも古墳時代後期頃、瑪瑙は韓半島からの渡来品のようです。

水晶切子玉( 古墳時代後期 )4.2 cm / 御売約
赤瑪瑙管玉( 古墳時代後期 )2.3 cm / 御売約

メールによるご注文こちらから」