『時間割』を書いたビュトールによれば、「日本は雨が美しい国」らしい。
陶器の表面に出たシミを「雨漏りをしたような景色」と評した古人の感性の言葉は、雨の美しい国で育った日本人に備わった美意識なのかもしれません。
この安南(ベトナム古陶)の茶碗は釉薬の表面のヒビ(貫入)や、針の穴のように小さな穴(ピンホール)から外に通ったシミが青磁の器を淡い緋色に染めていて、『雨漏り手』と呼んでよいかと思います。青磁の雨漏りは特に好きな雨漏り手の1つですが、琉球のマカイにも似た安南の器のかたちは李朝の半陶半磁の青磁にはない『陶器』だからこその魅力があって、重さといい、手触りといい、この違いをしっかりと感じると、古陶の魅力というものに一段深くハマるだろうと思います。
安南 青磁茶碗(ベトナム19世紀)口径 12.5 cm – 高さ 6.3 cm / 売約済み
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