金環

古墳から出土する金環( 耳飾り )は青銅に鍍金を施したものが多く、剥落の少ない金環も見られます。こちらは鍍金が円の内側にごく控え目にあって、地金である銅の色や環の輪郭に印象が支えられているのですが、目立って傑れたものと云うよりもごく個人的に選んだ向きのある品です。

何を以って美しいとするのかは難しいのですが、おそらく金環と云うより銅環と認識して見ていただいた方がよいくらい飾り気のないもので、それくらいのものを好むと云うのもあるかもしれませんが、バランスと銅味が良いと思います。所有したい品と傑れた品とのあいだには必ずしも一致しないものがあるように思うのですが、実際に手に取り、気に入って頂ける方の手へとお渡しが出來れば嬉しいと思います。

金環 ( 古墳時代 )径 2.4 cm / 35,000円

高麗薬匙

柳の葉形に作った匙と小さな蓮華を柄の先に象った薬匙です。一般的に見られる 砂張( さはり / 銅と錫などの合金 )の薄手な作りと異なり、銅味が強く、やや厚手な印象があります。高麗は朝鮮を指す言葉でもあり、時代としては李朝時代の物ではないかと思います。道具立てのひとつに用いたようで古裂に収められており、裂傷等もなく好い状態です。

高麗薬匙( 李朝時代 )約 22 cm / 売約済み

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分

硝子小瓶

『 Vitreo ( ガラスの意 )』を語源とするビードロは長崎にポルトガル人が渡来したことによってもたらされた硝子品と云われています。薄張りの硝子で、球体状に吹いた円い胴体に垂直の細い口作り、ムクロジの実のように膨れた恰好にも好ましさを感じます。

ビードロには見られない技法から中国の博山ガラスかとも見えるのですが、色分かれした硝子自体が珍しく、不定見なままです。

硝子の内部に葉片を含む土のような物が透けて見えますが、内容物として意味をもつのか、出土に伴う付着物なのかは判然としません。形状からポッピンと呼ばれる音の鳴る玩具にも思われますが、それにはやや管が短く、容器として作られた壜のようです。

硝子小瓶( 日本あるいは中国 )外径 3.8 cm – 高さ 5.3 cm / 売約済み

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新羅泥塔

赤肌色の土味をした泥塔とは趣きの異なる朝鮮の泥土製の小塔です。

浄めた泥土を使って成形( 型抜 )した多重塔のミニチュアで、ビスケットのように香ばしい色を呈しています。尖頂部は偏菱形で、夏花壇にのしかかった五輪塔のような、駒のような、堂々とした形があります。

駒を進める手つきで廻してみると、角度によっては土が残っており、そこから赤味が広がって印象も多様です。

新羅泥塔 ( 統一新羅時代 )幅 3 cm – 高 6.1 cm / 売約済み

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古根付 ( 鬼の念仏 )

“鬼の念仏”の話をしていたところに出合った小さな古根付です。

行儀よく、嬉しそうに立っていると云う印象で、コマを廻すような手つきで触れると、平らな背や前屈みの頭、扁平な足など、只のミニアチュールではなく、重心のバランスにまで及んで細工されていることに感心させられます。

穴のあくほど見たためか、木はトロトロとした艶を帯びて黒に近いほど深い飴色になっているのですが、衣ずれの音や、敷石の上をコツコツ踏んでくるのがいまにも聞こえてくるように思って、“鬼の念仏”には子どもの夜泣きがなおるという言い伝えもあり、飾り置いても、肌身離さず携えても好いものと思います。

古根付 ( 鬼の念仏 / 江戸時代 )高さ 5.7 cm / 売約済み

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

企画展 玩具コレクション 《 2018. 9.22 – 9.30 》

MOC3

派手な宣伝もなく、いつの間にか始まり終わっているようなひっそりとした企画です。

鉄、木、刺繍、文房具、人形、オブジェ、古道具など、なかなか数の集まらないものを約50点揃えました。ほとんどが数千円という遊び心からなるものですが、価格なりに愉しんで頂けると思う物を丁寧に選ばせて頂きました。初心(うぶ)な気持ちと、これまで古い物を見ながら感じたこととを恥ずかしながら見て頂く機会としたいと思います。これから古い物を蒐めはじめるという方にも愉しめる企画展にしたいと思いますので、どうぞお誘い合わせの上お越し下さい。

※ 企画趣旨の都合上、ご購入頂いた品は会期終了後にお引取り / または郵送でのお渡しとなります。

その他、常設販売品も並びます。( 常設販売品は当日お持ち帰り頂けます。)

企画展 玩具コレクション
会期:2018年9月22日( 土 ) – 30日 ( 日 ) – 終了致しました –
時間:12:00 – 19:00 ( * 23日のみ休業日 )
会場:南方美術店

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

青銅杯

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東洋では砂張( さはり )という青銅器が古来より在りますが、錫の含有量の違いによってか、それとは異なる古色が地金の上に呈しています。石川県で作られる合鹿椀( ごうろくわん )にも似たフォルムで、ローマ帝国時代の青銅器です。

目に見える旋盤や同心円状の三条の線に形のへしゃげた胴あいの美しさが重なり、舎利容器を除けば、青銅器でこのような形は初めて手にします。形が歪んだことによって生じた斜線や曲線は製図に見られる実線のようで、青銅器時代の鉄器のほとんど、あるいはすべてが隕石から抽出されているという学識は青銅器に於いては当て嵌まらないのかもしれませんが、地上的な美しさとは言えない異質性もあるように思えます。小指ほどの小さなものですが、非常に好きなものです。

4/28、29は 《 春の鎌倉古美術展 》 参加のため店舗は休業致します。
皆さまお誘い合わせの上、ぜひお越し下さい。

5月の営業日は営業カレンダーを更新しましたのでご確認下さい。

GKKF5

GKKF6

古代ローマ 青銅杯 ( 紀元2世紀頃 ) 径 5.5 cm – 高さ 3.3 cm / 売約済み

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

地蔵仏 ( 懸仏 )

KJB1

春になると古美術や古道具の催事 / 企画展が催される。俄かに活気を帯びた人々の表情を他所に、そうしたことは余り意識せずに居たいと過ごしていたら、商品を紹介するでもなく、ドングリを隠すリスといいますか、大事なものを見せずに居たような具合になりました。ここではこれらの物から感じた空気の一端を手に取り見ていただく事で、その一部を少しでも共有して頂ければ嬉しいと思います。

掌にあずけて眇めなければその表情が上手く捉えられぬ小さな物ですが、穏和な面様は子供を守る地蔵仏ならではのものと感じられます。どんな風のない日でも枝が動くという具合に、穏やかに坐している姿をみることで心のうちで動くものを見る。信心というものには疎いのですが、こうした物から受ける印象に足止めされる事の意味が大事になり、やがて歳をとることの意味を考えるようになるように、意味を自分で考えなければならないことも次第に増えてきたように思います。

名づけかたの難しいものを大切にしてきた人々に接していると、そこに共通しているのは信じることに対して証拠を求めたりしないことなのではないかと思います。ちょうど言葉に信頼を寄せなくては、言葉と自分とが互いに隔てられたまま進行してゆくように、物が背景のまま過ぎてゆくことがない。形態にこだわったり、意味の文節行為によって遠ざかってしまうのではなく、物を前にして向き合う姿勢にはいつも感銘を受けます。以前にお子さんを連れた若いご夫婦が、更紗の生地に包んだ懐中仏を持っておられて、自己満足だけれど、と言いながら控えめな仕草で包みから出してくれたのも、袈裟を一着に及んだやさしいお顔の地蔵仏でありました。

懸仏というのは壁や柱に掛けるものとされますが、小さなものは衣類や兜に結んだものもあると訊きます。背面の結び目になる金具が外れてしまっているので、掛けるためには少しの工夫が要ります。壁という 《 面 》 より、柱に掛けることで所得るように思います。懸仏の場合、お顔が気に入ったものでなければどうしても親和感というものが得られないと思います。気に入る方がおられましたら持って頂けましたら幸いです。

地蔵仏 ( 懸仏 ) 3.7 cm × 2.5 cm / 売約済み

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南方美術店

常滑広口壺

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企画展や秋の催事を終えると、しばらく平らかな道を歩くように穏やかな日が続きそうです。仕入れを含めると、遠くのものもつい鼻の先にあるように感じられる忙しさがあったので、それを終えてみるとちょっと話題が底をついてしまったような、意表をついた平穏がやって来たようでもあって、なんて捌けない人だろうと云う気がしています。

常滑の中壺でも口が二重( ふたえ )になっていて、布に身をくるむような恰好をした広口壺です。古色蒼然とした寂れた気配よりも、長く温めていたモチーフを作品にしたというような私的なものに触れる感触があり、明るい茶褐色の土味と穏やかな自然釉は、とても摯実なものを描いた画家によるものとさえ映ります。こと新しい印象を受ける骨董品のなかにあって、ここ数年で最も感じることの多かった物でもあります。

口縁部に欠け、胴部に一筋の引っ掻きが見られますが、その他は好い状態を保っています。

GMTT100

GMT110

GMTT110

常滑広口壺 ( 室町時代 ) 外径 17.8 cm – 高さ 21.4 cm / 価格はお問い合わせ下さい

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南方美術店

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
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鉄鉢

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数学上の理論では線の美しさには等式が存在していて、最も美しい定理というものが今も探されているのだそうです。『比率が安定した美感を与える』という法則がおそらく自然に織り込まれていて、さまざまな物を目にする機会を得ても、美妙なバランスを保っていると感じられるものは思う程には見つかりません。長年蒐集に努めておられた目の利いたコレクターの方より、幸運にもお頒け頂くことができました。

托鉢用の金属器だと思いますが、薄作りで、このように線のきれいなものは初めて手にしました。球体状のフォルムのなかに影がすべっていて、緑青の淡緑色が一円に覆っています。僧が食物を受けるのに用いた丸い鉢を「鉄鉢」と呼称しますが、こちらは鉄ではなく、砂張のような合金かと思います。

花映りもよく、小振りな枝などよく似合います。

鉄鉢( 高麗時代 )外径 13.5 cm – 高さ 9.7 cm / 売約済み

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南方美術店