『 目白コレクション 2020 春 』中止のお知らせ

4月11日より開催を予定しておりました『 目白コレクション 2020 春 』は開催中止が決定いたしました。
ご案内状をお持ちいただいた方々、愉しみにして下さっていた皆様にはお詫び申し上げます。

儘ならぬこともありますが、この新しい空白を好んで考えてみることに切り替えて、既に小さな企画展等、代替の催しを告知している出展者もあります。

当店は企画展等予定しておりませんが、出品予定だった品は今週末より店内で常設展示、webサイト上でも少しずつ御紹介を予定しております。

よろしくお願い申し上げます。

南方美術店

伽耶丸底形土器

丸底壺では糸底の付けてある自立可能な形で、《 坩( かん )》と呼ばれる溶融合成のための形状容器です。

旧稿《 水晶切子玉と赤瑪瑙管玉 》に遡上すると、ソウルの国立中央博物館に伽耶古墳群の出土遺物が展示されていることに触れましたが、それに遜色なく、伽耶土器では初期の一時期に出現した器形、新羅をはじめとする朝鮮の土器類の中でも魅力ある品として分類出來るものかと思います。胴部からの立ち上がり、広口に至るまでの厚みを含めた輪郭は特に好ましく、繰返し眺めては暮らしています。

店内は什器入れ替えのため数日間間の抜けた空間になっていますが、伽耶二点、いずれも好んでいる小品を展示しています。その他諸般と併せてご覧下さい。

伽耶丸底形土器( 3世紀 )口径 7.8 cm – 高 8.3 cm / 御売約

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小銅鏡

出土した高麗鏡のように朽ちたり緑青を伴なう物ではありませんが、朝鮮の小型鏡を2種竝べてみました。

和鏡や中国の青銅鏡と較べて鏡背面の模様が素朴で、抹香臭さのない、生活様式から得た意匠を写したものと感じられるのが長所でしょうか。威厳はありませんが、その気取らない寛かな調子が好きで、何心なく目に入って嬉しいようなものを喜びの種と名づけているのですが、そこに当て嵌まると感じている小品です。

いずれも高麗鏡より時代の下がる物のようですが、平頭紐( 紐を通す孔 )が中央に配され、高麗より地続きの朝鮮らしい造りを保っています。

小銅鏡( 李朝時代 )
径 4.5 cm / 御売約
径 5.5 cm / 20,000円

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水晶切子玉と赤瑪瑙管玉

ソウルの国立中央博物館では《 伽耶の本質展 》が催されていますが、本場とあって日本では中々見られない伽耶土器を多く見られた事は収穫でした。館内を徘徊すると水晶切子玉と赤瑪瑙管玉も展示されており、朝鮮の水晶などは余り美しく保たれているので古来のそれとは気づかぬような出来栄えです。

等級として比較して良いかは判りませんが、手元に収めた2つの出土遺物はお気に入りの2種で、何か共通する存在をそれぞれの内に感じます。管玉などどれも大同小異で、安く手中に収められればいいと考える方もあるかもしれませんが、選ぶ段になってこれと決めるくらい魅力のあるものを求めたい方に見て頂きたい佳品です。

いずれも古墳時代後期頃、瑪瑙は韓半島からの渡来品のようです。

水晶切子玉( 古墳時代後期 )4.2 cm / 御売約
赤瑪瑙管玉( 古墳時代後期 )2.3 cm / 御売約

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李朝黒釉片口

李朝時代後期には白磁の片口が作られますが、黒釉の片口と云うのは余り見られないのではないかと思います。漆工品のような、あるいは石工品のような形象からは丈夫さが取り柄と見えなくもなく、正円形とは呼べない歪みを伴った形や艶のある茶褐色がバランスの良い成因と思われます。

見慣れない物を手にすると嬉しい反面、一人で国を背負ったように不安にもなり、あらまほしきことかなと頼りないのですが、黒釉( 天目釉 )の壺が溢れるほどある事とは対極で、あるいは目に入るような魅力が他の物になかっただけなのかもしれませんが、器物全体を通じて魅力的な稀ものの器だと思います。

一箇所のみ薄いニュウが見られますが、ほぼ完品と云ってよい状態の好さを保っています。

李朝黒釉片口( 李朝後期 – 末期 )外径 17.2 cm – 9 cm / 御売約

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分

李朝民画虎図

李朝民画の中では護符に描かれる虎のようで、かなり寓話的な一枚かと思います。山の深い水溜まりに落ちた虎と鵲( カササギ )がやり取りをしている旧話の場面で、紙芝居のひとこまのようでもあります。

このような雑画では虎は雑鬼を追い払うために描き、門や室内の住空間に飾ったそうですが、絵師によるものとも坊主によるものとも思える墨描きの絵で、諧謔的で好ましい一枚ではないかと思います。絵は屏風から剥がしたマクリを額装してあるため、写真は硝子越しでぼやけていて、実際の魅力が写っていないように感じられます。

落款を押し損ねたような朱が見られますが、判別は出來ていません。他所では余り見られないような民画を数枚見つけられましたので、併せてご覧いただければ幸いです。

李朝民画虎図( 李朝時代 )額寸法 48.5 × 33.4 cm / 85,000円

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分

李朝石硯

巷では暖冬が話題にのぼるほど穏やかな日が続いていましたが、今週は韓国で買い付けの為しばらく不在にします。二月のソウルは氷点下七度、八度と、随分寒いことを云っていて、いちばん寒い日でも着たことがないようなもの、熟練した職人たちを呼び寄せて新しいコートを作るか、熊の皮のおおいを丸ごと被るかして臨みたいものです。

ご紹介は李朝の石硯。旅硯として携えた親指大の小品。石匣のような佇まいのよさはありませんが、摩滅した消耗感に好ましさがあります。

11日から14日は休業、15日は開封作業をしながらの営業、翌16日は都合により休業致します。ご来店の際は営業日をご確認の上お越し下さい。

石硯( 李朝時代末期 )6.4 × 3.6 cm / 24,000円

大常設展 《 2020年 1月22日 – 26日 》

既にsns等で告知しておりました『 大常設展 』が、明日1月22日から26日までの5日間の会期にて始まります。

初回となる『 大常設展 』は、企画展ではない"常設展( 通常営業 )"を参加各店が行う試みです。趣旨はとぼけたものに感じられますが、日常を企画として迎えるのは初めての経験でもあり、同じ循環を繰り返す中にある小さな変化のように"常設展"を改めて正面に据えてみるという考えは、存在そのものが至ってあやふやな分面白さがあるようにも捉えています。

常設展と言いながらも皆さん工夫されているようで、店内に出していなかった品物をいくつか出す他、レイアウトを変えたり、通常営業に少し変化を織り交ぜています。何かのきっかけでしかありませんが、これにかこつけて皆様にお越しいただければ幸いです。

会期 : 2020年 1月22日( 水 )- 1月26日( 日 )
開催地 : 参加各店
開催時間 : 各店の営業時間

書肆 逆光 ( 東京 )
toripie ( 大阪 )
南方美術店( 東京 )
画餅洞 ( 京都 )
タユタフ ( 石川 )
gallery uchiumi ( 東京 )
Antiques what’s? ( 東京 )
百芍丹 ( 京都 )
GALERIE AZUR ( 東京 )
大吉( 京都 )

古伊万里瑠璃釉猪口

年が明けて物事も緩やかに動き始めていますが、何となく消極的でまごついていたインスタグラムのアカウントを開設致しました。日曜版のようなつもりで、いままでのように身辺に持ち上った小さな出來事について話をつづけて行くつもりです。どうぞよろしくお願い致します。

古伊万里の覗き猪口と呼ばれる形ですが、右肩上がりで、可笑しな恰好に傾いているのは不測のことです。曲がりなりにも瑠璃釉という姿勢を保っているところに返って好ましさがあり、瑠璃色の斑らな調子にも動きが感じられます。

無疵・完品。

古伊万里瑠璃釉猪口 ( 江戸時代 )外径 5.4 cm – 高 5.4 cm / 御売約

レッドウェア 円筒器

赤土の素地にレンガ色の釉が発色した円筒器で、"レッドウェア"と呼ばれるアメリカの陶製器です。ニューヨーク – ペンシルベニア周辺に移り住んだ英国人陶工に拠るもので、原型に"スリップウェア"と云うイギリス陶器を有ちます。

ヨーロッパ陶磁史に少し話を遡らせると、スペインに"アルバレロ(albarello)"と呼ばれる薬を容れた円筒器があり、西欧では筒型はひとつの定型であったように思われます。ニューイングランドと呼ばれるこの地方の特色は、幼少期から棒切れや泥を手に過ごさなければ分かりそうになく、それでも気まぐれな一個人によって移り変わった形や、アメリカ東部と西洋文化の一部が交じり合った地方色( それからピーナツの殻を食卓から投げ入れて遊んでいる様子なども )浮かび上がって来るように思えます。

主にコネチカット州で生産された形と訊きますが、資料に乏しく確証に欠けます。口部に欠けと薄ヒビ、全体に所剥げ等が見られますが、水漏れもなく、概ね好い状態を保っています。

レッドウェア 円筒器( 19世紀中頃 )外径 16.3 cm – 高さ 27.3 cm / 26,000円

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