中国蒔絵筆

中国の伝統的な様式をそのまま表した意匠かと思いますが、ヨーロッパにおけるシノワズリーの流行にありそうな唐草模様の絵筆で、象牙の柄に蒔絵を散らすなど工夫を凝らした逸品です。中国の高位の僧によって寺院等で使われていた物でしょうか。あまり扱ったことのない分野で知識として足らないことばかりですが、幾分外の空気をまとわりつけているのが新鮮に映ったのかもしれません。絵筆など使うような高い趣味もなく、ただ箸を転がすように可笑しがるという無為を得意とする方に推します。

箱に明製象牙蒔絵筆の書き記しがありますが、浅学にて時代考証まではできておりません。一部亀裂の入った箇所はありますが、概ね良い状態を保っています。

中国蒔絵筆 / 御売約( sold )
時代不詳
19.5 cm

特定国際種事業許可番号( 象牙製品取扱い )No.00764