高麗箸

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箸が転んでも可笑しい年頃──などと云ったものですが、こちらは箸に惚れこみ、目の前に箸があるだけで転げるほどに愉快なのですから、なかなか困っています。

鎌倉の仏画や、室町の古画の剥落を見るように、古銅の緑青が雲煙に霞んだ竹林が一段と深い緑に見えるごとく呈しています。この四角柱、六角柱のひとすじの線が、どのような彫刻も及ばぬ線の美しさを持っていると自分だけが気付いたように喜んでいるのですが、高麗箸を火箸に使うという話を訊いたこともあったように思うので、古くから評価を受けている物なのかもしれません。もし使い途がなかったとしても何かのよすがとなりそうで、二月堂机の机右に置いてじっくりと眺めて暮らしたいような、どうも人には伝わりにくそうな呑気な空想に耽っています。

土の付着したものは四角柱、もう一方は六角柱で一端に装飾が見られます。金閣、銀閣などと言って2つを較べていましたが、色の出方では前者、線の美しさでは後者に軍配が上がるものと思います。

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高麗箸(朝鮮高麗時代)長さ 26 cm 、22.5 cm / 売約済み

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