欅台

石畳のように堂々とした欅材の台で、滑稽な程の重量を具す古材です。藁を柔らかくするために木槌を使った"藁打ち"の作業台、あるいは踏台として据え置かれていたものかもしれませんが、敷板とは異なり段を持つ台として、古材の端くれではない盤石な充溢感を漲らせています。

材の角には釿( ちょうな )の痕か、刃の痕か、平面のうちにももろもろの形象を含む味が見られます。古民家から出た古材と云うよりも、寺社の建材のような一段深い気配のある古材です。

花台としての設えの他、台それ自体の鑑賞を愉しんで頂けましたら幸いです。

欅台( 日本 )47.5 cm × 27.5 cm – 高 9.5 cm / 35,000円

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赤色磨研土器香炉( 火屋 : 長谷川竹次郎 造 )

中国赤色磨研土器の見立て香炉です。金工師長谷川竹次郎氏による銀製火屋を誂えたもので、氏の旧蔵品と伺っています。

磨研土器は紅山文化頃と考えますが、浅学にて考証は済んでおりません。三ツ脚と重なる突起が見られ、形態、色彩、共に香炉としての用を考え抜かれた佳品だと思います。

火屋は無銘です。本体にヒビの共色補修がありますが、概ね好い状態を保っています。

赤色磨研土器香炉( 火屋 : 長谷川竹次郎 造 )
径 6.3 cm – 高 4.3 cm / 御売約

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李朝黒釉片口

李朝時代後期には白磁の片口が作られますが、黒釉の片口と云うのは余り見られないのではないかと思います。漆工品のような、あるいは石工品のような形象からは丈夫さが取り柄と見えなくもなく、正円形とは呼べない歪みを伴った形や艶のある茶褐色がバランスの良い成因と思われます。

見慣れない物を手にすると嬉しい反面、一人で国を背負ったように不安にもなり、あらまほしきことかなと頼りないのですが、黒釉( 天目釉 )の壺が溢れるほどある事とは対極で、あるいは目に入るような魅力が他の物になかっただけなのかもしれませんが、器物全体を通じて魅力的な稀ものの器だと思います。

一箇所のみ薄いニュウが見られますが、ほぼ完品と云ってよい状態の好さを保っています。

李朝黒釉片口( 李朝後期 – 末期 )外径 17.2 cm – 9 cm / 御売約

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漆桶

漆桶は《 シッツウ 》と読むのですが、桶を《 ツウ 》と読むことに馴染みがなかったり、《 シッツウ 》と云うかしこまった音に耳慣れず、この一言半句には長い間言葉を詰まらせています。"ビリゴ ベリゴ"と啼くつばめの声があるそうですが、物覚えと云うのは音の担う所もあるし、いかにもと様子で覚えているような所があるので、桶にはやはり"おけ"が相応しいように思えます。

木の皮を剥いで、円く巻くような恰好で筒形に作るのが一般的な漆桶の形で、底板は木材を嵌めている物、麻布を貼って漆で固めた乾漆のものとを見かけます。これに樹木から掻いて採集した漆(樹液)を容れて用いる山の道具で、"漆を塗った桶"ではなく、漆を容れた桶のことを指します。

寸胴でも建ちの低い半筒の恰好で、辺り一面黒々と覆われたものよりこちらの方が好みです。胴に箍( たが )を廻した桶らしい作りで、売る為に漆をかけて作ったような粗悪な物も多く竝んでいますが、確りと実用されていた物の好ましさがあります。

漆桶( 時代不詳 )外径 17.6 cm – 高さ 12.4 cm / 御売約

高麗薬匙

柳の葉形に作った匙と小さな蓮華を柄の先に象った薬匙です。一般的に見られる 砂張( さはり / 銅と錫などの合金 )の薄手な作りと異なり、銅味が強く、やや厚手な印象があります。高麗は朝鮮を指す言葉でもあり、時代としては李朝時代の物ではないかと思います。道具立てのひとつに用いたようで古裂に収められており、裂傷等もなく好い状態です。

高麗薬匙( 李朝時代 )約 22 cm / 売約済み

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白安南縞手筒茶碗

安南( ベトナム )の陶器では無地のものが余り見られないのですが、柔かな象牙色に白の縞の入った碗は尚珍しい。石の柱の立った邸宅や、よくひびく石の床をおもわせる乳白色で、あふれる明るさをゆったりと膨らませたような容姿をしています。

白安南とも呼ばれる白釉陶器で、見込みに鏡と呼ばれる円形のくぼみがあって茶陶にも好ましい作りをしています。東洋ならではの親近感からかなつかしそうにながめながら胸を詰まらせてしまいそうになるのですが、これまで安南陶器に親しんで来なかった方にも手にして頂きたいと感じている良碗です。

口縁部に金繕いがあり、そこから6センチ程度の薄いニュウが下方に向かって通っています。その他に目立った疵はなく、好い状態を保っています。

白安南縞手筒茶碗 ( 十四世紀 )外径 11 cm – 高さ 8.9 cm / 売約済み

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黒楽茶碗 ( 楽九代 了入 )

日の穏やかな毎日を過ごしていたために雪ともなると衣服を重ねる準備に追われています。少し暖かい感じのある生地を背景に、冬向きの筒茶碗をご紹介したいと思います。

碗相( わんそう )と云うのは茶を点ててみて分かる茶碗の相のことで、普段であれば物はあたかもそれ自体で自存する実体であるかのように把捉するのですが、そうではないという簡単な主張を有ちます。楽美術館でいくつもの茶陶を見ることと、実際に茶を点てて体感することとはやはり別なので、手に拾いあげて間近く来た時、大きく映った碗に心づくものを長く使って愉しむ中で感じることの出來る嬉しさと、鑑賞としての愉しみとが味わえるものではないかと思います。

正面の向きに漆による補修が見られ、繪のくちばし付近には2センチ角の損傷を別の陶器をつかって埋め合わせた箇所も見られるなど、疵ものではありますが、見た目に厭なところのないよう巧く補修されていると思います。低火度による焼成で全体に薄い貫入が通っていますが、これも茶を点てて試してみたところ実用に差し支えないようです。安心してお使い下さい。

楽九代 了入
隠居印 ( 1811 – 1834 )
古箱
江戸後期
外径 10 cm – 高さ 10.9 cm
売約済み

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絵唐津酒盃

暢びやかな絵が変形を囲うように描かれていて、何処か馴染み易い印象を受けます。筒形の向付に較べて丈半分の恰好が親しみやさを醸しているのか、花や小鳥もなく、過分に力を込めていない絵様は余白が利いていて、なんの文様かと好んで考えてみたくなる佳さがあります。

酒盃と云ってもゆったりした物なので、あるいは御茶を味わうにも適した容かと試してみると猫のひたいのように感じられるかもしれませんが、手の形によく馴染み、片口にもなるなど利点も多いものと思います。

こちらはお預りによる委託品なのですが、身うちのものにめぐり合ったように気に入っていて、皆さまに見て頂きたいと考えたひと品です。光沢のない金で繕った直しがあり、細かな共継ぎが施されています。

古唐津酒盃 ( 桃山 – 江戸初期 ) 径 7.7 〜 9.9 cm – 高さ 5.5 cm / 売約済み

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李朝螺鈿小抽斗

GRRH10

櫛笥( くしげ )と云うのは櫛や化粧道具を入れておくための箱で、上段に髪を梳く道具を、下段には白粉などを収めるために用いた小抽斗です。

青貝を貼った螺鈿は薄く彫ったところに嵌める形で行われますが、やや省略があったのか直に貝を貼り付けているため浮き出した恰好になっています。湖面を菱形によって表現する所や、鳥の恰好など、背景として存在している物すべてが生きて表現されているように思えます。

時代の若い物が殆んどですが、確りと時代のある物で、上段の把手のみ後補ですが巧く直しています。その他若干の剥離などが見られますが、実用性のある状態を保っています。

GRRH11

GRRH12

GRRH13

GRRH15

GRRH14

李朝螺鈿小抽斗 ( 李朝時代 )横幅 26 cm – 奥行 23.3 cm – 高さ 26 cm / 70,000円

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丸盆

GEEP171

日延べされた夏を過ぎると、冬支度を前に短い時間がある。ナボコフの短編集が読みたいのですが、とても読み了りそうもない。雀の鼻より短いじゃありませんか──と扁平な顔の男が答える。”雀はもうとっくに南へ行きましたで”。ナボコフ風のこしらえ話であります。

鑿や鉋などによる刳り貫き盆です。大きく構えたものながら細やかな感情の通うもので、大味にならないのが好所かと思います。重みを増したように円熟した古色があり、明瞭な木目は近々と混じり合って、三々五々に散らばった酒器を一つところにまとめて置くと新鮮な気分が滲みます。

塑性変形と云うのか、乾燥による亀裂が口縁部に二箇所見られますが、実用には差し支えありません。平底、ガタつきもなく、立ち上がりも控えめで理想的な木味です。

丸盆 ( 詳細不明 )外径 42.8 cm – 高さ 3.5 cm / 売約済み

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