ビザンチン帝国の青銅貨

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ビロン( billon )というのは銀に少量の卑金属を混ぜた合金、あるいは銅に少量の銀を含んだ合金で、青銅貨とも劣銀貨とも云います。

古い貨幣の愉しさと云うのか、碗形のレリーフはあまりいたずらっぽいので、とても真面目な経済のものとは思えない。慌てて作ったにしろ、おもむろに始まった出来事を、誰も前に進めようとしないで遊んでばかりいるような、銀紙に包まれた3時の茶菓子のような作りが魅力です。

絵柄によってよりも重さで価値が決められていたように想像するのですが、形を含めて分からないことの多いものでもあります。少しでもスケールの大きなもの、型押しのよいものを蒐めています。

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ビザンチン帝国の青銅貨 ( 12 – 13世紀 ) 径 2.5 〜 3 cm / 1p 6,000円

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地蔵仏 ( 懸仏 )

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春になると古美術や古道具の催事 / 企画展が催される。俄かに活気を帯びた人々の表情を他所に、そうしたことは余り意識せずに居たいと過ごしていたら、商品を紹介するでもなく、ドングリを隠すリスといいますか、大事なものを見せずに居たような具合になりました。ここではこれらの物から感じた空気の一端を手に取り見ていただく事で、その一部を少しでも共有して頂ければ嬉しいと思います。

掌にあずけて眇めなければその表情が上手く捉えられぬ小さな物ですが、穏和な面様は子供を守る地蔵仏ならではのものと感じられます。どんな風のない日でも枝が動くという具合に、穏やかに坐している姿をみることで心のうちで動くものを見る。信心というものには疎いのですが、こうした物から受ける印象に足止めされる事の意味が大事になり、やがて歳をとることの意味を考えるようになるように、意味を自分で考えなければならないことも次第に増えてきたように思います。

名づけかたの難しいものを大切にしてきた人々に接していると、そこに共通しているのは信じることに対して証拠を求めたりしないことなのではないかと思います。ちょうど言葉に信頼を寄せなくては、言葉と自分とが互いに隔てられたまま進行してゆくように、物が背景のまま過ぎてゆくことがない。形態にこだわったり、意味の文節行為によって遠ざかってしまうのではなく、物を前にして向き合う姿勢にはいつも感銘を受けます。以前にお子さんを連れた若いご夫婦が、更紗の生地に包んだ懐中仏を持っておられて、自己満足だけれど、と言いながら控えめな仕草で包みから出してくれたのも、袈裟を一着に及んだやさしいお顔の地蔵仏でありました。

懸仏というのは壁や柱に掛けるものとされますが、小さなものは衣類や兜に結んだものもあると訊きます。背面の結び目になる金具が外れてしまっているので、掛けるためには少しの工夫が要ります。壁という 《 面 》 より、柱に掛けることで所得るように思います。懸仏の場合、お顔が気に入ったものでなければどうしても親和感というものが得られないと思います。気に入る方がおられましたら持って頂けましたら幸いです。

地蔵仏 ( 懸仏 ) 3.7 cm × 2.5 cm / 売約済み

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南方美術店

エッジング( 佐野 洋子 )

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今夏、 『 骨董 うまこし 』 さんが小さなお店を構えられました。ご自身の好みに合ったものをひとつひとつ丁寧に扱われる素晴らしいお店で、このような方がご近所に居られるのは、ちょっとした自慢でもあります。

このエッジングはうまこしさんよりお頒け頂いたもの。ちょっと豪奢で、芸術的な感じのするものというよりも、個人の人間の中にある潜在意識や倒錯といったものが表現されている作品かもしれません。ジャン・コクトーのようでもある、と言われて合点の行ったところもあります。

うまこしさんによって選ばれた物を前にすると、本当に興味深いものにたどり着くまでには、山のようなたわごとを潜り抜けなければならない──ということを思わず忘れてしまいそうになります。余りにも労せずして、はるかに慎重で、深いものが集まっている場面に立ち会わせてもらっていたのだということを、今さらながらに痛感しています。

佐野洋子さんは 『 100万回生きたねこ 』 を代表作とする絵本作家。惜しくも2010年に亡くなってしまっているそうですが、このエッジングは過去の展覧会にて販売された作品だということです。

※エッジングはうまこしさんで扱った価格そのままです。

骨董 うまこし
東京都世田谷区用賀4-28-14 MEAN ( 1F )
水・木・金・土 / 13 – 18時
http://umakoshi.exblog.jp/
( 当店から徒歩15分程です )

佐野 洋子 エッジング / 売約済み
( 額 )縦 39.3 cm – 横 30 cm
( 作品寸法 )縦 10.3 cm – 横 8.2 cm

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南方美術店

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

漆輪線文水筒

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物寂びた古いブリキの板があって、茶室で花入れに-などと思った処で茶室などある筈もなく、倹しい暮らしに不向きな贅沢品と云ってしまえばそれ迄なのですが、室内の片隅にブリキ板を敷いて筒花入れとして飾ってみたところ、なかなか佳い結果になったということで人に勧めてみるような気力を得たところです。

改めて室内に飾ってみますと、物を配置するという行為で背景がそれまでと変わるというのは、古い物独特の体験だと思います。それまであったはずの空間は変わらない筈なのに、物の配置によって新しい空間へと変容する何かについて自覚することは、言葉による複雑化では言い表し難い。とても単純で、とても直截的な何かによって何かを感じるというだけのことなのですが。

円柱状に形成した木に漆をかけ、金彩を輪線文に装飾しています。こうした形状は火薬入れか水筒に見られるもので、口の造りや構造を見ると火薬を取り出すように出来ていませんので、水筒と見るのが妥当なようです。口先端の付け根部分に経年の傷みが見られ、やや弱くなっています。強い力を加えると折れてしまうかもしれませんが、通常に扱う分には問題ない程度です。花入れとする際に水が必要な場合はガラス管など落しにお使い下さい。金具はオリジナルです。紐は古い物ですが交換されている可能性が高いようです。古い木箱が付属します。

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漆輪線文水筒 箱付( 江戸初期-中期 )寸法:径 5.7 cm – 高さ 30.5 cm / 70,000円

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骨董古美術古道具
『南方美術店』

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分

世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

ローマングラス注器

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古代の硝子は形のための形ではないような気がする。用途よりも精神や理想が大切にされ、それが結晶のように形となって偶然に顕われたものと云っては気障っぽいのですが、吹き硝子の発明とともに産業化したローマングラスにも、まだ偶然の形は保たれているように思えるのです。

硝子はそれ自体で多く自然に存在しているものではないから、白砂や珪石を使って人の手に依って硝子になる。そこに色や形が加わって現存した物の中から、銀化の美しいものや、色の美しいもの、用を成すものにより分けられて尊ばれてきた。

この硝子の場合、胴部に空いた穴も、ヒビの通った肌も、損傷には違いないのですが、この硝子そのもので、他に成りたちようもなく、自然に存在しているように思われます。

他に四点のローマングラスが入荷しています。

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ローマングラス注器 (紀元3-4世紀) 外形 7 cm – 高さ 8.8 cm / 売約済み

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骨董古美術古道具
『南方美術店』

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世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

新年明けましておめでとうございます

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初夢に一富士二鷹三茄子とは何ぞやと思い調べてみましたら、四扇五煙草六座頭などと続きがあるのだそうです。いずれも縁起物であったり、語呂であったり、謂れが諸説あるようなのですが、さて、初夢はどうなることだろうと思っていましたら、縁もゆかりもない加藤茶さんより連絡を頂き、お正月を宜しければ我が家で過ごしませんかとのことなので、さっそく出掛けて行く──という我ながら言葉のない夢を見ました。縁起物と言われるとなんだか不可能なものに賭けているような気持ちになるのですが、よい一年を過ごすためのスタートを無事切らせて頂き、本日より営業致しております。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

南方美術店

古染付双鶏文皿

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染付けのご紹介が続きますが、こちらも粋な文様の器です。茶人の趣味に応じて注文を受けて作られた古染付ですが、闘鶏図でもあまり雄々しくないのがいい。風雅という言葉を用いてよいか判りませんが、名調子などと云ってはつまらない。紙に筆で描いた絵画よりも、陶磁器ならではの呼吸を備えたところを見て頂きたい器です。

薄いニュウの他、円周縁部に僅かにノミホツが見られます。古染付特有の虫食い(虫食いのように見える小さなピンホール状の釉薬の剥離)が見られますが、全体に好い状態を保っています。

5月発売 和樂(6月号)に、こちらの古染付双鶏文皿を掲載して頂きました。
どうぞ書店にてご覧下さい。

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古染付双鶏文皿(明末時代-清朝時代初期)外径 16 cm – 高さ 2.7 cm / 売約済み

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ヨーロッパ古道具骨董 アンティーク
『南方美術店』

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分

世田谷美術館より徒歩15分

ローマングラス《碗》

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川瀬敏郎さんの 『一日一花』 でも雪餅草などを生けて使われているローマングラス碗。こちらはシリア出土のローマングラス碗で、銀化した多彩な硝子の碗というのは初めて知る美しさです。色よりも姿に重点を置いて、『碗』という形に魅了されてしまった。ボードレールの云う《思いがけない美しさ》というものかもしれない。

「碧」という文字は(みどり、あお、あおい)などと読めて、あおと読めば青寄りに、「みどり」と読めば緑寄りに強調される不思議な言葉らしいのですが、この碧色は硝子の不純物による緑寄りの碧。銀化した膜がガラスに貼り付いて、剥落した箇所と光彩の残った箇所とが併存した美妙なバランス。器内部の土汚れは定着していますが、手で触れると膜と共に剥落し易いものですので、そのままの状態にしてあります。目視での状態確認が難しいものですが、ガラス内部にヒビや欠けなども見られず、状態の良いものと見えます。

夏の涼や、冬の気持ちに沿う花入れとしてもお愉しみ下さい。

合箱が付属します。

川瀬敏郎さんの 『一日一花』 は こちら から

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ローマングラス《碗》(シリア出土)外径 7.8 cm – 高さ 7.3 cm / 売約済み

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ヨーロッパ古道具骨董 アンティーク
『南方美術店』

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不幸な家族

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『不幸な家族』という三号ほどの油絵が店にあるのですが、これが筋を考えるとなかなか難しい。

昼間なのか、真夜中なのかも区別がつかない草原に、靴を埋めて立っている家族の絵。陰惨だ──とまで云わなくとも、絵のモチーフを観れば暗いというのは当てはまる。無口が思慮深いといって尊ぶような時代ではないから、観る人は可憐なところもなくて、無表情の顔のふしぎさが、うす気味悪いと云ってぎょっとするかもしれない。

そういう特殊な匂いを、とらえがたい現象を写したものと評価するのか、目をふさぐかは人それぞれに任されているけれども、作家の記憶の奥に投げ込まれて遠くの夢をぼんやり眺めているような心持ちと、こしらえものの登場人物のような淡さも、技巧でつくったようなあざやかさもない、写実的な生々しさを同時に感じて、おぼろげながら合点がいくのは、これが画家自身を描いた作品であるということだけでなのです。

同質なものに反撥する気持ちも、異質なものについてゆこうとする気持ちも、画面からはまだ感じたことはない。『不幸な家族』という表題にインパクトがあり過ぎるせいで、絵を見抜こうという魂胆が働かないでもないけれど、あっと言わせるのではなくて、今さらのようにその存在に気づくものを素直に描いただけなのかもしれないとも思う。素直といっても、百姓の素直なんかじゃないのですが。少なくとも、そういう目を端っこに持って眺めると、温かさを感ずることさえ出来る。その温かさも、充分に暗いところに灯るあかりの美しさみたいなもので、怖いと思えばいつまでも安らがないようなほのかな温かさであって、甘美ばかりを抒情と思って眺める人には縁のない温かさ。

店内に額に入って飾ってありますので、ご覧になりたい方は御足労ですが当店までお越し下さい。

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油彩画 『 不幸な家族 』 / 売約済み

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ヨーロッパ古道具骨董 アンティーク
『南方美術店』

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世田谷美術館より徒歩15分