環形 ローマングラス ブレスレット

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1960年代にローマに住んでいた方の話に拠れば、遺跡近くで出土した物は未だその辺りに転がっていて、美術品として管理された物ではなかったとも訊きます。投げ遊びに興じる子供たちにとってさながら輪投げの代用品に過ぎなかったのかも知れず、美術品として保護されたもの──という意識を拭い去るような必要もなく、そこからとても自然に、臆することなく何かを嗅ぎ取っていたのではないかと云う気がしています。

こうした輪が古い地図のようなものだったという記述を何かの詩集で見たような気がするのですが、かなり極端で、抒情的な発想ながら、それもありそうな話に思えてくると云っては強弁でしょうか。大理石の英名( マーブル )などはギリシャ語の「 きらめく 」を語源にしたと云う話もあって、見る人の印象によって言葉が作られたように、それぞれの印象によって眺められたら愉しいのではないかと思います。

硝子に銀化した皮膜が見られ、接ぎ目があって不均整な円をしています。繊細なものにつき実用品としてではなく、鑑賞のためのものとしてお愉しみ下さい。

ローマングラス ブレスレット( 4th – 5th Century AD )外径 5.4 cm / 売約済み

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マヨリカ 鳥文碗 ( 陶片 )

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鳥文はペルシャ三彩の影響を受けたスペインのマヨリカ陶の伝統の一部で、それ自体に作家の個性はないのですが、様式的なものという印象はさほどなくて、歴史的に多くの土地の文化を織り込んでいることと、陶片であることとが複雑に絡み合って何かしら心を惹きつけるものがあります。

画面を鑑賞するよりもそれならではの形によって眺められる佳さがあって、動きが少なく、吟味すべきニュアンスがあり、作家の画がそうであるように可視できないものを見ているという感覚は説明が難しい。読書が省いてしまっているものを直截手に取り感じ取るような体感と云えばいいでしょうか。価値も趣意もはっきりとしない物に新しい感触を掘り起こされて、色眩しさも適度に落ち着きが感じられるため長く眺めていることができます。

高台から推定するに直径13センチ、高さ6cm程の碗であったと思われます。高台部分はしっかりと残っており、形のよさなど玩味して頂きたい小品です。

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マヨリカ 鳥文碗 陶片 ( スペイン 15 – 16世紀 ) 9 × 10.2 cm – 高さ 6.2 cm / 売約済み

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西欧白釉陶器

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低火度で焼かれた軟陶のような釉調で、ゆったりとした筒状の白釉器ゆえに御茶席で建水( 湯こぼし )として用いられていたそうです。

下縁部に小さな欠けが二箇所ありますが、その他に目立った傷は見られず水漏れもありません。桐箱が付属します。

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西欧白釉陶器 ( ドイツ 20世紀初頭 )外径 14.7 cm – 高さ 9.6 cm / 売約済み

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企画展 5人のコレクション展 vol.1

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有名無名に関わらず、個人のコレクション品を展示する機会を設けたいと日頃より温めていた企画展をこの度開催させて頂くこととなりました。味わい深い鉄の道具、民藝、世界各地の民族のもの、西洋のもの、本格骨董まで、5人の個人蒐集家の集めた珍しいものを店内にて展示販売致します。

N氏 鉄と民藝
H氏 酒器
A氏 東南アジア王朝美術 / 安南古陶
M氏 西洋 / 民族もの
J氏 柿右衛門

*その他、上記以外のものも複数並びます。

企画展 5人のコレクション展 vol.1
会期 : 10/7(土)~10/15(日)
(会期中は全日営業いたします。)
時間 : 12:00 – 19:00
会場 : 南方美術店

順次、商品と併せて出展者のご紹介もさせていただきます。

南方美術店

青銅鉢

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数学上の理論では線の美しさには等式が存在していて、最も美しい定理というものが今も探されているのだそうです。『比率が安定した美感を与える』という法則がおそらく自然に織り込まれていて、さまざまな物を目にする機会を得ても、美妙なバランスを保っていると感じられるものは思う程には見つかりません。長年蒐集に努めておられた目の利いたコレクターの方より、幸運にもお頒け頂くことができました。

托鉢用の金属器だと思いますが、薄作りで、このように線のきれいなものは初めて手にしました。球体状のフォルムのなかに影がすべっていて、緑青の淡緑色が一円に覆っています。僧が食物を受けるのに用いた丸い鉢を「鉄鉢」と呼称しますが、こちらは鉄ではなく、砂張のような合金かと思います。

花映りもよく、小振りな枝などよく似合います。

青銅鉢( 高麗時代 )外径 13.5 cm – 高さ 9.7 cm / 売約済み

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スリップウェア大皿 ( 深鉢 )

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催事を終えると、木や鉄や石の道具のようなものはひと通りなくなってしまって陶器屋さんになる。古い硝子のものが少し残って、何とか陶器一辺倒にならずに済んだことにはほっとしていますが、また好い物を蒐めなければならないということもこれからの愉しみでもあります。

スリップウェアに関して知っている事はあまり多くはないのですが、アメリカに渡った移民が“レッドウェア”なる軟陶を作っていて、石炭オーブンの中でパイを焼くなど、今にも砕けてしまいそうで、形として残っていることが不思議に思われます。小品好みで、大きな物を扱うことは少ないのですが、赤褐色の古色や、煤で黒くなった縁、使い込まれて縁にできた古い欠けなどもバランスがよく、大胆で、しっかりと飾って様になるものはなかなかないように思います。

表側は目立ちませんが、焼成時の縁の欠けから通ったヒビを補修した痕、底部にも同様の補修が見られます。

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スリップウェア大皿 深鉢 ( アメリカ 19世紀 )外径 33.8 cm – 高さ 6.8 cm / 売約済み

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青銅の分銅

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阿片の重さを量るために使われたオピウムウェイトと呼ばれる分銅です。鳥型は割合ありますが、これだけ出来の良い獅子の形のものは初めてです。近年は入手も難しくなりました。鉄ではなく、青銅を使った優れもので、雄勁な佇まいが目を惹きます。

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青銅の分銅 ( 18世紀 ) 幅 3.2 cm – 高さ 4.9 cm / 売約済み

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安南青花鳥文壺

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朱印船貿易以前に作られた古手の安南染付で、鶉のように小さく丸まった壺に花鳥の染付が描かれています。

書画をルーツにもつ所以からか、絵筆による薄い青一色の染付にも技巧のみならず文化としての聲がきこえる様で、灰色の胎に薄い白化粧を施した肌に長閑さを感じていますと、何処からともなく春の訪れを迎えたような心持ちになります。

海底の泥の中にあったことで美しい釉調を保つことのできたもので、当時の中でも出来の良い名品に属するものであったのではないでしょうか。安南古陶に関心のなかった方にもこれならばと親しみを感じて頂ける物のように思っています。

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安南草花鳥文小壺 ( 15 世紀頃 )外径 5 .5 cm – 高さ 5 cm / 売約済み

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黒高麗茶碗

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端正な器形をした黒高麗茶碗です。

色の安定したものを目にする機会は稀で、ただ黒を土に上塗りしただけ──という印象の拭えないものが多い中で、しっかりと色相が深く坐っていると感じられるものを手にするのは初めてです。長らく使われていなかったものと見え、初見こそ渇いた手触りが感じられたものの、暫く手元に置いてよく使い込むことで瑞々しさを得て、茶陶として蘇生した様相を呈し始めています。

面によって生じた陰影と異なり、それ自体に沈着した漆黒釉調の陰を眺めていますと、なにかしら生活の深い意味を伝えているもののように思えてきます。とても純粋な部分を感じ、名品という姿に着替えただけということもなく、使うことを愉しみながら長く手元に置いて頂きたいと感じる良碗です。

全体にカセが見られますが、瑕はありません。

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黒高麗茶碗 ( 高麗時代 / 共箱・仕覆付 )外径 11.8 cm – 高さ 6.5 cm / 売約済み

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古九谷香炉

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三つの画題(松、竹、梅)が文人の理想を描いたもの──とは何処かで読んだ覚えがあるものの、そうした型についてとんと関心を持てないために、時々に生ける花であったり、季節に応じて正面の向きを変える少しの所作の方についつい愉しみを覚えてしまいます。

南画など見ていると、人生のかなり深刻な問題を扱っているとは気づかれぬように、わざとどこにでもあるものを描いていると感じることもあって、何も始まらず、何も起こらない1日の憂いが、平凡な問題ながらに不安に満ちていることを、何とかおかしみにしようという試みもあろうかという気がします。

古九谷など手にするのは実のところ初めてで、香炉などは別段使わないのですが、そこに構図として描かれているものが清々しい。多色でも、金彩がよく残っているでもなく、色は剥落に傾いているのに、却って生彩豊かなものに映るのは日本人の美意識に拠るものでしょうか。その癖、寂しい感じがしないので、精神上のより重要な温かさが灯っているようにさえ感じられます。

火舎(ほや)と呼ばれる香炉の蓋は純銀のものが誂えられており、香炉とよく調和がとれています。縁に古い金繕いの他、疵が見られるのは少々惜しいところではありますが、未だ鑑賞の生命を保っていますので、長く手元に置いて愉しんでいただきたい物です。

古箱が付属します。

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古九谷香炉 ( 江戸前期 ) 外径 7.4 cm – 高さ 7 cm / 売約済み

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