丸盆

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日延べされた夏を過ぎると、冬支度を前に短い時間がある。ナボコフの短編集が読みたいのですが、とても読み了りそうもない。雀の鼻より短いじゃありませんか──と扁平な顔の男が答える。”雀はもうとっくに南へ行きましたで”。ナボコフ風のこしらえ話であります。

鑿や鉋などによる刳り貫き盆です。大きく構えたものながら細やかな感情の通うもので、大味にならないのが好所かと思います。重みを増したように円熟した古色があり、明瞭な木目は近々と混じり合って、三々五々に散らばった酒器を一つところにまとめて置くと新鮮な気分が滲みます。

塑性変形と云うのか、乾燥による亀裂が口縁部に二箇所見られますが、実用には差し支えありません。平底、ガタつきもなく、立ち上がりも控えめで理想的な木味です。

丸盆 ( 詳細不明 )外径 42.8 cm – 高さ 3.5 cm / 売約済み

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別途送料(全国一律)600円/振込手数料がかかります。

南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
世田谷・
二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

企画展 玩具コレクション 《 2018. 9.22 – 9.30 》

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派手な宣伝もなく、いつの間にか始まり終わっているようなひっそりとした企画です。

鉄、木、刺繍、文房具、人形、オブジェ、古道具など、なかなか数の集まらないものを約50点揃えました。ほとんどが数千円という遊び心からなるものですが、価格なりに愉しんで頂けると思う物を丁寧に選ばせて頂きました。初心(うぶ)な気持ちと、これまで古い物を見ながら感じたこととを恥ずかしながら見て頂く機会としたいと思います。これから古い物を蒐めはじめるという方にも愉しめる企画展にしたいと思いますので、どうぞお誘い合わせの上お越し下さい。

※ 企画趣旨の都合上、ご購入頂いた品は会期終了後にお引取り / または郵送でのお渡しとなります。

その他、常設販売品も並びます。( 常設販売品は当日お持ち帰り頂けます。)

企画展 玩具コレクション
会期:2018年9月22日( 土 ) – 30日 ( 日 ) – 終了致しました -
時間:12:00 – 19:00 ( * 23日のみ休業日 )
会場:南方美術店

世田谷・二子玉川駅より徒歩11分 / 用賀駅10分
世田谷美術館/五島美術館/静嘉堂文庫美術館より徒歩15分

ビザンチン帝国の青銅貨

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ビロン( billon )というのは銀に少量の卑金属を混ぜた合金、あるいは銅に少量の銀を含んだ合金で、青銅貨とも劣銀貨とも云います。

古い貨幣の愉しさと云うのか、碗形のレリーフはあまりいたずらっぽいので、とても真面目な経済のものとは思えない。慌てて作ったにしろ、おもむろに始まった出来事を、誰も前に進めようとしないで遊んでばかりいるような、銀紙に包まれた3時の茶菓子のような作りが魅力です。

絵柄によってよりも重さで価値が決められていたように想像するのですが、形を含めて分からないことの多いものでもあります。少しでもスケールの大きなもの、型押しのよいものを蒐めています。

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ビザンチン帝国の青銅貨 ( 12 – 13世紀 ) 径 2.5 〜 3 cm / 1p 6,000円

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青銅杯

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東洋では砂張( さはり )という青銅器が古来より在りますが、錫の含有量の違いによってか、それとは異なる古色が地金の上に呈しています。石川県で作られる合鹿椀( ごうろくわん )にも似たフォルムで、ローマ帝国時代の青銅器です。

目に見える旋盤や同心円状の三条の線に形のへしゃげた胴あいの美しさが重なり、舎利容器を除けば、青銅器でこのような形は初めて手にします。形が歪んだことによって生じた斜線や曲線は製図に見られる実線のようで、青銅器時代の鉄器のほとんど、あるいはすべてが隕石から抽出されているという学識は青銅器に於いては当て嵌まらないのかもしれませんが、地上的な美しさとは言えない異質性もあるように思えます。小指ほどの小さなものですが、非常に好きなものです。

4/28、29は 《 春の鎌倉古美術展 》 参加のため店舗は休業致します。
皆さまお誘い合わせの上、ぜひお越し下さい。

5月の営業日は営業カレンダーを更新しましたのでご確認下さい。

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古代ローマ 青銅杯 ( 紀元2世紀頃 ) 径 5.5 cm – 高さ 3.3 cm / 売約済み

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南方美術店 ( 12:30 – 19:00 )
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白釉ポット ( イングリッシュデルフト )

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寒さに雪を伴ってしまうとただ日を繰るばかりで、窓覆いを引き下して暖をとり、温かい御茶を沸かしては飲みという日が続きます。趣味や読書に思い耽り、しばらく無聊( ぶりょう )をかこつと、いつの間にか跡切れるようにして雪は溶けているという具合で、寒い寒いとひとりごちていた日も、離れてゆこうという段になると惜しまれるのが不思議です。

オランダのデルフト陶器にもイギリスで作陶されたイングリッシュデルフトと云うものが在ります。穏やかと言うと白くて柔らかいとか、目に優しいなどと云いますが、ここで云うのは新しい杉の鉛筆や、一綴りの紙片などの書き物に交じって、端なく置かれたものに対する親密さのようなものかもしれません。

口縁部に僅かに釉剥げが見られますが、嬉しいことにかなり好い状態で残っています。ニュウの他、中心から二つに割れてしまった物を丁寧に溶着した痕が見られます。

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白釉ポット ( 17 – 18世紀 ) 外径 4.7 cm – 高さ 3.5 cm / 売約済み

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環形 ローマングラス ブレスレット

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1960年代にローマに住んでいた方の話に拠れば、遺跡近くで出土した物は未だその辺りに転がっていて、美術品として管理された物ではなかったとも訊きます。投げ遊びに興じる子供たちにとってさながら輪投げの代用品に過ぎなかったのかも知れず、美術品として保護されたもの──という意識を拭い去るような必要もなく、そこからとても自然に、臆することなく何かを嗅ぎ取っていたのではないかと云う気がしています。

こうした輪が古い地図のようなものだったという記述を何かの詩集で見たような気がするのですが、かなり極端で、抒情的な発想ながら、それもありそうな話に思えてくると云っては強弁でしょうか。大理石の英名( マーブル )などはギリシャ語の「 きらめく 」を語源にしたと云う話もあって、見る人の印象によって言葉が作られたように、それぞれの印象によって眺められたら愉しいのではないかと思います。

硝子に銀化した皮膜が見られ、接ぎ目があって不均整な円をしています。繊細なものにつき実用品としてではなく、鑑賞のためのものとしてお愉しみ下さい。

ローマングラス ブレスレット( 4th – 5th Century AD )外径 5.4 cm / 売約済み

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マヨリカ 鳥文碗 ( 陶片 )

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鳥文はペルシャ三彩の影響を受けたスペインのマヨリカ陶の伝統の一部で、それ自体に作家の個性はないのですが、様式的なものという印象はさほどなくて、歴史的に多くの土地の文化を織り込んでいることと、陶片であることとが複雑に絡み合って何かしら心を惹きつけるものがあります。

画面を鑑賞するよりもそれならではの形によって眺められる佳さがあって、動きが少なく、吟味すべきニュアンスがあり、作家の画がそうであるように可視できないものを見ているという感覚は説明が難しい。読書が省いてしまっているものを直截手に取り感じ取るような体感と云えばいいでしょうか。価値も趣意もはっきりとしない物に新しい感触を掘り起こされて、色眩しさも適度に落ち着きが感じられるため長く眺めていることができます。

高台から推定するに直径13センチ、高さ6cm程の碗であったと思われます。高台部分はしっかりと残っており、形のよさなど玩味して頂きたい小品です。

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マヨリカ 鳥文碗 陶片 ( スペイン 15 – 16世紀 ) 9 × 10.2 cm – 高さ 6.2 cm / 17,000円

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西洋のタイル

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地形に恵まれた土地には小さな町があって、山や海が光に映って、それ自体が美しいのか、光が美しいのか解らなくなるような気がします。セザンヌが歩いたオレンジ林など、国内に居ては感じられないような色がそこかしこに落ちていて、地中海の土地で描かれたものを目にすると、西洋の風土の穏やかさを僅かでも感じたような、新鮮な林檎を齧った匂いがしてくるような、異国情緒が感じられる気がします。

七センチ四方の小さなタイルで、スペインかとも思いましたが、これはポルトガルの物なのだそうです。こうした色彩が壁や暖炉に使われているなど、美味しい夕食の賑やかな音が聞こえてくるようで、小さな温もりを微かに感じてしまいます。デルフトのタイルと較べると1/4スケールの小品ですが、情味があって可愛らしいのに、剥落した壁画のような古格を愉しむことも出来る一枚かと思います。

西洋のタイル ( ポルトガル 19世紀頃 ) 6.9 × 6.9 cm / 23,000円

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企画展 5人のコレクション展 vol.1

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有名無名に関わらず、個人のコレクション品を展示する機会を設けたいと日頃より温めていた企画展をこの度開催させて頂くこととなりました。味わい深い鉄の道具、民藝、世界各地の民族のもの、西洋のもの、本格骨董まで、5人の個人蒐集家の集めた珍しいものを店内にて展示販売致します。

N氏 鉄と民藝
H氏 酒器
A氏 東南アジア王朝美術 / 安南古陶
M氏 西洋 / 民族もの
J氏 柿右衛門

*その他、上記以外のものも複数並びます。

企画展 5人のコレクション展 vol.1
会期 : 10/7(土)~10/15(日)
(会期中は全日営業いたします。)
時間 : 12:00 – 19:00
会場 : 南方美術店

順次、商品と併せて出展者のご紹介もさせていただきます。

南方美術店

ウィンザーチェア

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西洋の家具のなかでもウィンザーチェアは好きで、形が装飾的でないものがより好ましいと思います。特に20世紀に入ってしまうと、余り作りのよいものがない印象です。背面(背もたれ)がスティック状になっていることから「スティックバックチェア」と呼びますが、轆轤で木を円く削ってから手作業で一本一本の先端を細くする作業など、手間のかかったものでもあります。手触りを確かめたり、腰かけてみたりしていると、それが古い習慣であるかのように馴染んで感じられて、どのような空間にも調和するのが魅力です。

後脚に一箇所、1cm程度の擦り傷が見られます。メンテナンスがされており、ぐらつきもなく、好い状態を保っています。

ウィンザーチェア( 英国 19世紀 )座面の幅 41 cm – 座面の高さ 43.5 cm – 背面の高さ 87.8 cm / 売約済み

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