黒楽茶碗 ( 楽九代 了入 )

日の穏やかな毎日を過ごしていたために雪ともなると衣服を重ねる準備に追われています。少し暖かい感じのある生地を背景に、冬向きの筒茶碗をご紹介したいと思います。

碗相( わんそう )と云うのは茶を点ててみて分かる茶碗の相のことで、普段であれば物はあたかもそれ自体で自存する実体であるかのように把捉するのですが、そうではないという簡単な主張を有ちます。楽美術館でいくつもの茶陶を見ることと、実際に茶を点てて体感することとはやはり別なので、手に拾いあげて間近く来た時、大きく映った碗に心づくものを長く使って愉しむ中で感じることの出來る嬉しさと、鑑賞としての愉しみとが味わえるものではないかと思います。

正面の向きに漆による補修が見られ、繪のくちばし付近には2センチ角の損傷を別の陶器をつかって埋め合わせた箇所も見られるなど、疵ものではありますが、見た目に厭なところのないよう巧く補修されていると思います。低火度による焼成で全体に薄い貫入が通っていますが、これも茶を点てて試してみたところ実用に差し支えないようです。安心してお使い下さい。

楽九代 了入
隠居印 ( 1811 – 1834 )
古箱
江戸後期
外径 10 cm – 高さ 10.9 cm
売約済み

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