薮かげでこっそりほころびかけた花が咲くのを悦ぶ茶人には、この異国の橙色のまぶしい器物が思いもよらないものだったろうと思うのですが、こうしたうつわが在るのを見ると、現代の茶人も侘陶に茶を点てて内に沈んだものばかり追い求めているのでもないことが感じられるように思えて、随分身近になります。
オランダ・デルフト窯で17世紀頃に焼かれたうつわで、見立ての茶碗に用いるため、把っ手を(おそらく故意に)取りのぞいて、その痕を埋めて補修して、金で直して茶碗としています。
行為そのものには作為の感じられるところがあるかもしれませんが、望外に素直で健やかなうつわとなっているのが好所です。
直しの他にも口縁部にアタリがいくつか見られますが、そのままで実用して頂けるものと思います。
桐箱が付属します。
オランダ スリップウェア茶碗(16-17世紀頃 箱付)外径 12.1 cm 高さ 8.7 cm / 売約済み
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